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うなぎセミナー 1/13

うなぎセミナー 1/13

セミナー等

SEMINARS

更新日:2021.04.08

Updated: 2021.04.08

  • 開催場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
  • Place: 京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
  • 開催日時:2022年1月13日(木) 14時00分~
  • Date and Time: 2022年1月13日(木) 14時00分~

今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(January 13).

************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2022年 1月 13日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)

Date and Time:2022-01-13, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)


###-------------- Presentation Information 1 --------------###

Speaker (発表者):山本 誠 (Makoto YAMAMOTO)

Title (題名):
粘弾性媒質中の地震サイクルにおける断層強度不均質による影響と断層挙動の初期値依存性

Abstract (要旨):
 地中では、地殻浅部から深部にかけて地震性の領域、スロースリップイベント(SSE)が起こる領域、定常滑りの領域へ移り変わる。また、深さや物質の変化に依存し、媒質の弾性・粘弾性の遷移も見られる。 Miyake and Noda (2019) は、弾性・粘性遷移による断層挙動への影響を調べるために粘弾性媒質中での2次元の動的地震サイクルシミュレーション手法が開発し、緩和時間と震源核サイズの2種類のパラメータを変化させたときの影響が詳細に調べた。しかし、ここでは断層強度は一様と仮定されており、その不均質性が断層挙動に与える影響についてはまだ調べられていない。
 本研究では、Miyake and Noda (2019) による地震サイクルシミュレーションに断層強度の不均質性を考慮し、断層挙動への影響を調べた。断層強度の不均質性と緩和時間の2次元でパラメータスタディを行った結果、断層強度の不均質は大きく、緩和時間は短くなると、永久固着が見られることがわかった。また、研究の過程で断層挙動に初期値依存性が確認された。これは弾性媒質においても確認でき、初期条件によって断層の振る舞いに大きな違いが見られた。これについても報告する。

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###-------------- Presentation Information 2 --------------###

Speaker (発表者):野田雄貴 (Yuki NODA)

Title (題名):
長野県西部地域で発生した2つのM3.7の地震の前震活動とその発生過程
(Foreshock activity of two magnitude M3.7 earthquakes in the western Nagano Prefecture region and the generation processes)

Abstract (要旨):
 地震は突然始まるのではなく,その準備過程となる破壊核形成過程が必要であることが室内実験や数値計算により示されている.また,大きな地震(本震)が発生する前に,その震源の近傍で複数の小さな地震(前震)が発生することがあり,前震が本震と時空間的に近接して発生することは,その背後にある破壊核形成過程の存在を示唆している.
 長野県西部地域では1995年6月から稠密地震観測網が展開されていて,観測点は1984年に発生した長野県西部地震の余震域の東部を中心に設置されている.その中で10kHzのサンプリング周波数でデータを記録しているものが最大で57ヶ所に設置された.この地域で発生する地震は震源が浅いものが多く,さらに観測点の周囲が静かでノイズレベルが小さいため,多数の微小地震データが得られている.
 1999年4月5日および2001年6月10日に,この観測網の内側でM3.7の地震がそれぞれ発生した.また,それぞれの震源付近ではその発生の10日以上前から活発な地震活動が見られた.それぞれの周囲で発生した地震の破壊開始点について高精度な相対震源決定を行うために,この稠密地震観測で得られた10kHz波形データを使用し,各観測点における2つの地震のP波到達時刻の差を,P波初動のみを含むような0.01秒幅のウインドウを使って相互相関により求めた.そのようにして求めたP波到達時刻の差を用いて,Ito (1985) を参考に相対震源決定を行った.
 震源再決定の結果,1999年のM3.7の地震の発生前にその震源に向かって地震活動が移動していく様子が確認された.また,その震源分布には空間的なギャップがあるため,この地震活動は地震の発生に伴う応力変化だけでは説明できない可能性がある.さらに,これらの地震は平面的には発生しておらず,非地震性すべりがこの地震活動の原因である可能性は低い.一方2001年のM3.7の地震では,それ以前の地震活動において面状の震源分布が見られた.この地震活動は本震震源の北側における非弾性的な変形により,その近辺に存在する脆性-延性境界に応力が集中したことで発生した可能性がある.

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今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(January 13).

************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2022年 1月 13日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)

Date and Time:2022-01-13, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)


###-------------- Presentation Information 1 --------------###

Speaker (発表者):山本 誠 (Makoto YAMAMOTO)

Title (題名):
粘弾性媒質中の地震サイクルにおける断層強度不均質による影響と断層挙動の初期値依存性

Abstract (要旨):
 地中では、地殻浅部から深部にかけて地震性の領域、スロースリップイベント(SSE)が起こる領域、定常滑りの領域へ移り変わる。また、深さや物質の変化に依存し、媒質の弾性・粘弾性の遷移も見られる。 Miyake and Noda (2019) は、弾性・粘性遷移による断層挙動への影響を調べるために粘弾性媒質中での2次元の動的地震サイクルシミュレーション手法が開発し、緩和時間と震源核サイズの2種類のパラメータを変化させたときの影響が詳細に調べた。しかし、ここでは断層強度は一様と仮定されており、その不均質性が断層挙動に与える影響についてはまだ調べられていない。
 本研究では、Miyake and Noda (2019) による地震サイクルシミュレーションに断層強度の不均質性を考慮し、断層挙動への影響を調べた。断層強度の不均質性と緩和時間の2次元でパラメータスタディを行った結果、断層強度の不均質は大きく、緩和時間は短くなると、永久固着が見られることがわかった。また、研究の過程で断層挙動に初期値依存性が確認された。これは弾性媒質においても確認でき、初期条件によって断層の振る舞いに大きな違いが見られた。これについても報告する。

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###-------------- Presentation Information 2 --------------###

Speaker (発表者):野田雄貴 (Yuki NODA)

Title (題名):
長野県西部地域で発生した2つのM3.7の地震の前震活動とその発生過程
(Foreshock activity of two magnitude M3.7 earthquakes in the western Nagano Prefecture region and the generation processes)

Abstract (要旨):
 地震は突然始まるのではなく,その準備過程となる破壊核形成過程が必要であることが室内実験や数値計算により示されている.また,大きな地震(本震)が発生する前に,その震源の近傍で複数の小さな地震(前震)が発生することがあり,前震が本震と時空間的に近接して発生することは,その背後にある破壊核形成過程の存在を示唆している.
 長野県西部地域では1995年6月から稠密地震観測網が展開されていて,観測点は1984年に発生した長野県西部地震の余震域の東部を中心に設置されている.その中で10kHzのサンプリング周波数でデータを記録しているものが最大で57ヶ所に設置された.この地域で発生する地震は震源が浅いものが多く,さらに観測点の周囲が静かでノイズレベルが小さいため,多数の微小地震データが得られている.
 1999年4月5日および2001年6月10日に,この観測網の内側でM3.7の地震がそれぞれ発生した.また,それぞれの震源付近ではその発生の10日以上前から活発な地震活動が見られた.それぞれの周囲で発生した地震の破壊開始点について高精度な相対震源決定を行うために,この稠密地震観測で得られた10kHz波形データを使用し,各観測点における2つの地震のP波到達時刻の差を,P波初動のみを含むような0.01秒幅のウインドウを使って相互相関により求めた.そのようにして求めたP波到達時刻の差を用いて,Ito (1985) を参考に相対震源決定を行った.
 震源再決定の結果,1999年のM3.7の地震の発生前にその震源に向かって地震活動が移動していく様子が確認された.また,その震源分布には空間的なギャップがあるため,この地震活動は地震の発生に伴う応力変化だけでは説明できない可能性がある.さらに,これらの地震は平面的には発生しておらず,非地震性すべりがこの地震活動の原因である可能性は低い.一方2001年のM3.7の地震では,それ以前の地震活動において面状の震源分布が見られた.この地震活動は本震震源の北側における非弾性的な変形により,その近辺に存在する脆性-延性境界に応力が集中したことで発生した可能性がある.

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© Research Center for Earthquake Hazards.

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