更新日:2023.04.12
Updated: 2023.04.12
今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(October, 12).
************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2023年 10月 12日 (木) 13:30~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
Date and Time:2023-10-12, 13:30~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)
Please join the seminar on-site, especially students who need credit.
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Speaker(発表者): Tomoya Muramoto
Title(題目): Role of inelastic deformation in the Hikurangi subduction zone - observational, numerical and experimental studies
Abstract:
ニュージーランドの東岸沖にあるヒクランギ沈み込み帯は沈み込み帯の研究の代表的な研究対象として非常に長い歴史をもつ。プレートの収束(Wallace et al., 2009)、プレート境界の形状(Williams et al., 2013)、地震波速度構造(Arai et al., 2020; Bangs et al., 2023)、スロースリップイベント(Wallace et al., 2016; Muramoto et al., 2019)、テクトニック微動(Todd et al., 2018; Iwasaki et al., 2022)、分岐断層の地震活動(Coffey et al., 2022)、などの個々の様相は各種観測に基づいて詳細が明らかになりつつある。また、近年の海底掘削により、ヒクランギ沈み込み帯においては、地質構造の複雑さが地震活動の複雑さに寄与している可能性が示唆された(Barnes et al., 2020)。
では、地質構造の複雑さがもつ物理的な役割は何であろうか?それを考えるにあたって本研究では一つの要素として粘弾性に着目する。地球は、地震波の伝播に代表される数秒程度の時間スケールの力に対しては、ほぼ弾性体として振る舞う。一方、数億年といった非常に長い時間スケールの力に対しては、ほぼ粘性体として振る舞う(Fukahata and Matsu’ura, 2016)。それらの中間的な時間スケール、つまり、数年から数千万年程度の時間スケールの外力に対しては、地球は弾性体と粘性体の中間的な性質をもつ粘弾性体として振る舞う。この性質は沈み込み帯をモデル化するにあたって非常に重要な性質であり、媒質が粘弾性体であることを仮定した沈み込み帯のモデルは様々な観測事実を説明することに成功している(Sun et al., 2014; Muto et al., 2019; Muramoto et al., 2023)。では、海底掘削によって得られた粘土鉱物から粘弾性に関する有益な情報を抽出することは可能なのであろうか?もし、それができた際にはより良い沈み込み帯のモデルを構築することが可能になるのであろうか?本研究ではヒクランギ沈み込み帯を対象とした研究を通してそれらの可能性を明らかにする。
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今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(October, 12).
************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2023年 10月 12日 (木) 13:30~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
Date and Time:2023-10-12, 13:30~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)
Please join the seminar on-site, especially students who need credit.
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Speaker(発表者): Tomoya Muramoto
Title(題目): Role of inelastic deformation in the Hikurangi subduction zone - observational, numerical and experimental studies
Abstract:
ニュージーランドの東岸沖にあるヒクランギ沈み込み帯は沈み込み帯の研究の代表的な研究対象として非常に長い歴史をもつ。プレートの収束(Wallace et al., 2009)、プレート境界の形状(Williams et al., 2013)、地震波速度構造(Arai et al., 2020; Bangs et al., 2023)、スロースリップイベント(Wallace et al., 2016; Muramoto et al., 2019)、テクトニック微動(Todd et al., 2018; Iwasaki et al., 2022)、分岐断層の地震活動(Coffey et al., 2022)、などの個々の様相は各種観測に基づいて詳細が明らかになりつつある。また、近年の海底掘削により、ヒクランギ沈み込み帯においては、地質構造の複雑さが地震活動の複雑さに寄与している可能性が示唆された(Barnes et al., 2020)。
では、地質構造の複雑さがもつ物理的な役割は何であろうか?それを考えるにあたって本研究では一つの要素として粘弾性に着目する。地球は、地震波の伝播に代表される数秒程度の時間スケールの力に対しては、ほぼ弾性体として振る舞う。一方、数億年といった非常に長い時間スケールの力に対しては、ほぼ粘性体として振る舞う(Fukahata and Matsu’ura, 2016)。それらの中間的な時間スケール、つまり、数年から数千万年程度の時間スケールの外力に対しては、地球は弾性体と粘性体の中間的な性質をもつ粘弾性体として振る舞う。この性質は沈み込み帯をモデル化するにあたって非常に重要な性質であり、媒質が粘弾性体であることを仮定した沈み込み帯のモデルは様々な観測事実を説明することに成功している(Sun et al., 2014; Muto et al., 2019; Muramoto et al., 2023)。では、海底掘削によって得られた粘土鉱物から粘弾性に関する有益な情報を抽出することは可能なのであろうか?もし、それができた際にはより良い沈み込み帯のモデルを構築することが可能になるのであろうか?本研究ではヒクランギ沈み込み帯を対象とした研究を通してそれらの可能性を明らかにする。
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© Research Center for Earthquake Hazards.
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