更新日:2022.04.13
Updated: 2022.04.13
今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(October, 13).
************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2022年 10月 13日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
Date and Time:2022-10-13, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)
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Presenter: Shinya Katoh(加藤 慎也)
Title: 深層学習を用いた自動地震波処理パッケージの開発と有馬高槻断層帯深部の地震学的な構造の研究
Abstract:
近畿地方中北部の下部地殻をどのように流体が移動しているかを明らかにするために高分解能の地震学的な構造解析を行った。
近畿地方中北部の下部地殻には傾斜した反射面(reflector)の存在が確認されている。先行研究では、reflectorとこの地域に発生している深部低周波地震の関係を議論していたが、傾斜による反射点のズレ、また深部低周波地震の震源決定とreflectorの推定に使用した地震波速度構造が異なる問題があり、reflectorと深部低周波地震の対応を議論するには問題があった。そこで、本研究では、傾斜によるズレの補正と深部低周波地震の決定と同じ速度構造を用いてreflectorの水平方向の分布をS波反射法解析によって求め、今まで不明であった鉛直方向の構造をレシーバ関数イメージング解析によって求めた。
また、下部地殻の構造を詳細に求めるためには大量のデータが必要と考え、今まで解析に使用できなかったデータを使用するために深層学習を用いた地震波自動処理パッケージを作成した。作成したモデルは人間とほぼ同等の精度で、走時読み取りや極性判定が行える。そして、3成分走時読み取りモデルは、モデルがどこに注目しているか確認できるsoft-attention blockを組み込むことで、ブラックボックスである深層学習を用いたモデルの説明可能性が向上したモデルとなっている。
S波反射法解析の結果、近畿地方中北部の下部地殻に、深部低周波地震の震源域から有馬高槻断層帯の方向に水平方向の分布を拡げ、次第に深さが浅くなるように分布しているreflectorが推定された。そして、レシーバ関数イメージング解析の結果から、このreflectorは地震波低速度で深さ方向の幅約5 km以下の薄い層であることが推定された。
Reflectorの有馬高槻断層帯方向への分布、深部低周波地震の発生とこの地域の下部地殻では流体の移動に割れ目のような構造が必要だと考えられることから流体は有馬高槻断層帯の延性せん断帯を移動経路としており、reflectorは延性せん断帯内の流体分布を表していると結論づけた。
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今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(October, 13).
************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2022年 10月 13日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
Date and Time:2022-10-13, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)
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Presenter: Shinya Katoh(加藤 慎也)
Title: 深層学習を用いた自動地震波処理パッケージの開発と有馬高槻断層帯深部の地震学的な構造の研究
Abstract:
近畿地方中北部の下部地殻をどのように流体が移動しているかを明らかにするために高分解能の地震学的な構造解析を行った。
近畿地方中北部の下部地殻には傾斜した反射面(reflector)の存在が確認されている。先行研究では、reflectorとこの地域に発生している深部低周波地震の関係を議論していたが、傾斜による反射点のズレ、また深部低周波地震の震源決定とreflectorの推定に使用した地震波速度構造が異なる問題があり、reflectorと深部低周波地震の対応を議論するには問題があった。そこで、本研究では、傾斜によるズレの補正と深部低周波地震の決定と同じ速度構造を用いてreflectorの水平方向の分布をS波反射法解析によって求め、今まで不明であった鉛直方向の構造をレシーバ関数イメージング解析によって求めた。
また、下部地殻の構造を詳細に求めるためには大量のデータが必要と考え、今まで解析に使用できなかったデータを使用するために深層学習を用いた地震波自動処理パッケージを作成した。作成したモデルは人間とほぼ同等の精度で、走時読み取りや極性判定が行える。そして、3成分走時読み取りモデルは、モデルがどこに注目しているか確認できるsoft-attention blockを組み込むことで、ブラックボックスである深層学習を用いたモデルの説明可能性が向上したモデルとなっている。
S波反射法解析の結果、近畿地方中北部の下部地殻に、深部低周波地震の震源域から有馬高槻断層帯の方向に水平方向の分布を拡げ、次第に深さが浅くなるように分布しているreflectorが推定された。そして、レシーバ関数イメージング解析の結果から、このreflectorは地震波低速度で深さ方向の幅約5 km以下の薄い層であることが推定された。
Reflectorの有馬高槻断層帯方向への分布、深部低周波地震の発生とこの地域の下部地殻では流体の移動に割れ目のような構造が必要だと考えられることから流体は有馬高槻断層帯の延性せん断帯を移動経路としており、reflectorは延性せん断帯内の流体分布を表していると結論づけた。
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© Research Center for Earthquake Hazards.
© Research Center for Earthquake Hazards.