更新日:2019.04.10
Updated: 2019.04.10
今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(31 October).
************** うなぎセミナーのご案内 (Unagi-seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV(修士・博士)
日時:10月31日(木)14:00~
場所:宇治キャンパス本館E棟2階E-232D
(地震予知研究センター本館セミナー室)
Date and time: 31st Oct., 14:00 ~
Room: E-232D @ Main building
Map: http://www.uji.kyoto-u.ac.jp/campus/map.html
====
[発表者1 (Presenter1)]
劉弋鋒(Yifeng Liu)
[題目 (title)]
津波地震の前震および余震活動の時空間的特徴と波形的特徴
[要旨 (Abstract)]
津波地震は短周期マグニチュードに比べて大きな津波をもたらす異常な地震である。それゆえ、沿岸部に住 んでいる人があまり揺れを感じず、避難行動につながりにくいため、甚大な津波被害へと発展する可能性が高い。本研究では、津波地震的特徴を示す、やや小規模のイベントが本震前後に発生しているか否か検証する事を目的として、過去に発生した津波地震(ニカラグア(1992/09/02, Mw7.7)の前震・余震活動を調べた。さらに津波地震と同様の特徴を示すM5以上の地震が、前震や余震活動の中に含まれていないか調べた。
はじめに、ISCやUSGSなどで公開されている地震カタログとIRISによる波形の記録を用い、前震並びに余震活動の抽出、または時空間的特徴の評価を行った。ニカラグア本震の発生前には、震央から約10km離れた西側でMb5前後の前震(1992/08/10 06:09:20 Mb 5.2, 1992/08/10 06:34:14 Mb4.7, 1992/08/11 05:23:51 Mb 5.1, 1992/08/13 08:41:17 Mb 4.7)が四つ発生した。ここでは、20年間(1983-2012)の地震カタログ中のイベントを津波地震の震源を中心とした5度*5度の領域を1度刻みで分割し、各セグメントに含まれる地震の活動度を調べた。ニカラグア地震の本震発生前には、本震の震源域付近の前震活動にマイグレーションが観測された。マイグレーションに含まれているイベントと同領域で発生した余震の波形を、本震の波形と比較した。また、ここでは、津波地震と同様の特徴を持つイベントを見つけるにあたり、領域を分けた本震域内(11.245°~ 12.245°、-86.866°~ -87.866°)で発生したM5以上の地震に対して、本震近傍の4つの観測点、20年間分のデータ(本震を含めて10個のイベント)を用いて、バンドパスフィルタを0.01~1にかけた上で、表面波とSV波の最大振幅の比を求めることで値を比較した。その結果、領域内の2つの地震(前震8/11(Mb5.1)と余震9/6(Mb5.3)、各1個)が津波地震の本震と同様に、観測点が離れるにつれて、振幅比の値が高くなっていくことがわかった。これは、津波地震の発生直前と直後に関して、前震および余震は津波地震と同様の特徴を示している。このことは、本震のみならず、津波地震的な特徴を示す断層運動であることに対し、津波震源域内で発生する小規模な地震は本震と同様の破壊現象であることを示唆する。
[発表者2 (Presenter2)]
木内 亮太 (Ryota Kiuchi)
[題目 (title)]
Probabilistic Seismic Hazard Analysis for Harrat Al Madinah Volcanic Field, Saudi Arabia
[要旨 (Abstract)]
We present a Probabilistic Seismic Hazard Analysis (PSHA) associated with future volcanic activity in Harrat Al Madinah, Saudi Arabia. Harrat Al Madinah, which is the volcanic field located in the northwestern part of the Arabian Peninsula, has experienced two known seismic episodes: (1) a precursor seismic swarm to a historical eruption in 1256 CE, and (2) a 1999 seismic swarm in the subsurface (20-40 km). We evaluated the ground motion of the earthquakes accompanied by future volcanic eruption using the GMPEs for western Saudi Arabia (Kiuchi et al., 2019). The location of the earthquakes and the recurrence interval of the largest event are assumed to correspond to the calculated spatial probability of vent opening (Dietterich et al., 2018) and the estimated recurrence interval of the volcanic eruption in this area (Stelten et al., 2018). The background seismicity related to this largest event is also taken into account for this PSHA by applying Gutenberg-Richter (G-R) magnitude-frequency relation.
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今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(31 October).
************** うなぎセミナーのご案内 (Unagi-seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV(修士・博士)
日時:10月31日(木)14:00~
場所:宇治キャンパス本館E棟2階E-232D
(地震予知研究センター本館セミナー室)
Date and time: 31st Oct., 14:00 ~
Room: E-232D @ Main building
Map: http://www.uji.kyoto-u.ac.jp/campus/map.html
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[発表者1 (Presenter1)]
劉弋鋒(Yifeng Liu)
[題目 (title)]
津波地震の前震および余震活動の時空間的特徴と波形的特徴
[要旨 (Abstract)]
津波地震は短周期マグニチュードに比べて大きな津波をもたらす異常な地震である。それゆえ、沿岸部に住 んでいる人があまり揺れを感じず、避難行動につながりにくいため、甚大な津波被害へと発展する可能性が高い。本研究では、津波地震的特徴を示す、やや小規模のイベントが本震前後に発生しているか否か検証する事を目的として、過去に発生した津波地震(ニカラグア(1992/09/02, Mw7.7)の前震・余震活動を調べた。さらに津波地震と同様の特徴を示すM5以上の地震が、前震や余震活動の中に含まれていないか調べた。
はじめに、ISCやUSGSなどで公開されている地震カタログとIRISによる波形の記録を用い、前震並びに余震活動の抽出、または時空間的特徴の評価を行った。ニカラグア本震の発生前には、震央から約10km離れた西側でMb5前後の前震(1992/08/10 06:09:20 Mb 5.2, 1992/08/10 06:34:14 Mb4.7, 1992/08/11 05:23:51 Mb 5.1, 1992/08/13 08:41:17 Mb 4.7)が四つ発生した。ここでは、20年間(1983-2012)の地震カタログ中のイベントを津波地震の震源を中心とした5度*5度の領域を1度刻みで分割し、各セグメントに含まれる地震の活動度を調べた。ニカラグア地震の本震発生前には、本震の震源域付近の前震活動にマイグレーションが観測された。マイグレーションに含まれているイベントと同領域で発生した余震の波形を、本震の波形と比較した。また、ここでは、津波地震と同様の特徴を持つイベントを見つけるにあたり、領域を分けた本震域内(11.245°~ 12.245°、-86.866°~ -87.866°)で発生したM5以上の地震に対して、本震近傍の4つの観測点、20年間分のデータ(本震を含めて10個のイベント)を用いて、バンドパスフィルタを0.01~1にかけた上で、表面波とSV波の最大振幅の比を求めることで値を比較した。その結果、領域内の2つの地震(前震8/11(Mb5.1)と余震9/6(Mb5.3)、各1個)が津波地震の本震と同様に、観測点が離れるにつれて、振幅比の値が高くなっていくことがわかった。これは、津波地震の発生直前と直後に関して、前震および余震は津波地震と同様の特徴を示している。このことは、本震のみならず、津波地震的な特徴を示す断層運動であることに対し、津波震源域内で発生する小規模な地震は本震と同様の破壊現象であることを示唆する。
[発表者2 (Presenter2)]
木内 亮太 (Ryota Kiuchi)
[題目 (title)]
Probabilistic Seismic Hazard Analysis for Harrat Al Madinah Volcanic Field, Saudi Arabia
[要旨 (Abstract)]
We present a Probabilistic Seismic Hazard Analysis (PSHA) associated with future volcanic activity in Harrat Al Madinah, Saudi Arabia. Harrat Al Madinah, which is the volcanic field located in the northwestern part of the Arabian Peninsula, has experienced two known seismic episodes: (1) a precursor seismic swarm to a historical eruption in 1256 CE, and (2) a 1999 seismic swarm in the subsurface (20-40 km). We evaluated the ground motion of the earthquakes accompanied by future volcanic eruption using the GMPEs for western Saudi Arabia (Kiuchi et al., 2019). The location of the earthquakes and the recurrence interval of the largest event are assumed to correspond to the calculated spatial probability of vent opening (Dietterich et al., 2018) and the estimated recurrence interval of the volcanic eruption in this area (Stelten et al., 2018). The background seismicity related to this largest event is also taken into account for this PSHA by applying Gutenberg-Richter (G-R) magnitude-frequency relation.
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© Research Center for Earthquake Hazards.
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