Topics

Topics

うなぎセミナー 11/24

うなぎセミナー 11/24

セミナー等

SEMINARS

更新日:2022.04.13

Updated: 2022.04.13

  • 開催場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
  • Place: 京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
  • 開催日時:2022年11月24日(木) 14時00分~
  • Date and Time: 2022年11月24日(木) 14時00分~

今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(November, 24).

************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2022年 11月 24日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)

Date and Time:2022-11-24, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)

---------- ---------- ---------- ----------

Presenter (発表者) 1: 西沢 貴志(Takashi NISHIZAWA)

Title(題目): 島弧の地形・重力異常と沈み込み帯の各種パラメターとの関係

Abstract(要旨):
沈み込み帯の成因やテクトニクスを理解するため、これまで沈み込み帯における様々なパラメターの関係について多くの研究がなされてきた。例えば、Uyeda&Kanamori (1979) は、スラブの年齢、沈み込み角、上盤の応力状態、プレート境界で発生する地震の最大マグニチュード (Mmax) の間に関係を見出し、それを基にチリ型・マリアナ型の分類を提唱した。Ruff&Kanamori (1980) は、 Mmaxがプレート収束速度とスラブ年齢で決まると主張した。これらの初期の研究では、少数の沈み込み帯のデータを基に議論がなされたが、全世界の沈み込み帯のデータを精査したところ、それらの関係は否定された (Jarrard, 1986; Lallemand et al., 2005; Heuret et al., 2011) 。即ち、“若いプレートほど浅い傾斜で沈み込み、上盤と強く固着して巨大地震を起こす” という描像は広く成り立つ関係ではないことが明らかになった。
ところで、沈み込み帯では一般に、「島弧で高く、海溝で低く、外縁隆起帯で高い」という特徴的な地形が現れる。しかし、これまでの沈み込み帯パラメターの研究では島弧側の地形や重力異常は興味の対象外で、系統的な調査から漏れていることが通例だった。そこで本発表では、沈み込み帯の地形形成過程をより良く理解するために、島弧の地形や重力異常と沈み込み帯の各種パラメターとの関係を調べた結果について報告する。ここで用いた地形・フリーエア重力異常のデータには海山等の短波長の地形が含まれるため、前処理としていくつかの操作が行われている。具体的には、セグメント毎に海溝の座標データを円弧にフィッティングし、それに直交する複数のプロファイルを等間隔に取りスタックすることで、各セグメントを代表する地形・重力異常データを取得した。こうして得られた地形・重力異常データに対して、重力異常パラメター(隆起帯の高さ、面積等)や、プレート運動パラメター (プレート運動速度、スラブ年齢等)、スラブ形状パラメター(プレートの形状、1階微分、2階微分、曲率等)との関係を調査した。さらに、Fukahata&Matsu'ura (2016) で用いられた、沈み込み帯のDislocationモデルにより隆起速度の簡単なモデル計算を行った。議論では、この結果を組み込み考察する。


Presenter (発表者) 2: 村本 智也 (Tomoya MURAMOTO)

Title(題目): 分岐断層周辺の歪と応力の時間変化に関する数値的研究 - 粘弾性媒質の場合
Numerical study of time evolution of strain and stress around a branching fault - in viscoelastic media

Abstract(要旨):
本研究では分岐断層周辺の力学場を表現する為の、粘弾性を考慮した有限要素モデルを構築し、分岐断層周辺の歪と応力の蓄積過程について考察を行った。複数の断層が変位する場合を考え、媒質内の実効粘性率の関数としてモデルを構築し、実効粘性率が歪と応力の蓄積パターンに及ぼす影響を調べた。その結果、分岐断層に沿いに歪と応力が蓄積されやすく、断層の会合点からの距離に依存して歪と応力の蓄積速度が変化することが明らかになった。また、歪の蓄積と緩和は同時進行し、実効粘性率が低いほど、蓄積速度が小さくなる様子が明らかになった。本報告では最後に、ヒクランギ沈み込み帯の分岐断層周辺で得られた観察結果と本研究の結果を比較し、実際に観測された差応力とせん断歪の特徴と本研究で得られた結果との対応関係についての議論を行う。

In this study, we constructed a viscoelastic finite element model to better represent the mechanical field around a branch fault, and discussed the accumulation processes of both strain and stress around the branch fault. We consider the case of multiple fault dislocations, construct the model as a function of the effective viscosity in the media, and investigate the effect of the effective viscosity on the strain accumulation pattern. We found that strain tends to accumulate on the hanging wall and along branch faults, and the accumulation rate depends on the distance from the junction. The accumulation and relaxation of strain are simultaneous, the lower the effective viscosity, the smaller the accumulation rate. Finally, we compare the results of this study with observations made around a branch fault in the Hikurangi subduction margin and correspondence between the features of differential stress and shear strain actually observed and the results obtained in this study is discussed.

---------- ---------- ---------- ----------

今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(November, 24).

************** Seminar on Seismology IV B, D /地震学ゼミナールIV B, D (Unagi Seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2022年 11月 24日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)

Date and Time:2022-11-24, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)

---------- ---------- ---------- ----------

Presenter (発表者) 1: 西沢 貴志(Takashi NISHIZAWA)

Title(題目): 島弧の地形・重力異常と沈み込み帯の各種パラメターとの関係

Abstract(要旨):
沈み込み帯の成因やテクトニクスを理解するため、これまで沈み込み帯における様々なパラメターの関係について多くの研究がなされてきた。例えば、Uyeda&Kanamori (1979) は、スラブの年齢、沈み込み角、上盤の応力状態、プレート境界で発生する地震の最大マグニチュード (Mmax) の間に関係を見出し、それを基にチリ型・マリアナ型の分類を提唱した。Ruff&Kanamori (1980) は、 Mmaxがプレート収束速度とスラブ年齢で決まると主張した。これらの初期の研究では、少数の沈み込み帯のデータを基に議論がなされたが、全世界の沈み込み帯のデータを精査したところ、それらの関係は否定された (Jarrard, 1986; Lallemand et al., 2005; Heuret et al., 2011) 。即ち、“若いプレートほど浅い傾斜で沈み込み、上盤と強く固着して巨大地震を起こす” という描像は広く成り立つ関係ではないことが明らかになった。
ところで、沈み込み帯では一般に、「島弧で高く、海溝で低く、外縁隆起帯で高い」という特徴的な地形が現れる。しかし、これまでの沈み込み帯パラメターの研究では島弧側の地形や重力異常は興味の対象外で、系統的な調査から漏れていることが通例だった。そこで本発表では、沈み込み帯の地形形成過程をより良く理解するために、島弧の地形や重力異常と沈み込み帯の各種パラメターとの関係を調べた結果について報告する。ここで用いた地形・フリーエア重力異常のデータには海山等の短波長の地形が含まれるため、前処理としていくつかの操作が行われている。具体的には、セグメント毎に海溝の座標データを円弧にフィッティングし、それに直交する複数のプロファイルを等間隔に取りスタックすることで、各セグメントを代表する地形・重力異常データを取得した。こうして得られた地形・重力異常データに対して、重力異常パラメター(隆起帯の高さ、面積等)や、プレート運動パラメター (プレート運動速度、スラブ年齢等)、スラブ形状パラメター(プレートの形状、1階微分、2階微分、曲率等)との関係を調査した。さらに、Fukahata&Matsu'ura (2016) で用いられた、沈み込み帯のDislocationモデルにより隆起速度の簡単なモデル計算を行った。議論では、この結果を組み込み考察する。


Presenter (発表者) 2: 村本 智也 (Tomoya MURAMOTO)

Title(題目): 分岐断層周辺の歪と応力の時間変化に関する数値的研究 - 粘弾性媒質の場合
Numerical study of time evolution of strain and stress around a branching fault - in viscoelastic media

Abstract(要旨):
本研究では分岐断層周辺の力学場を表現する為の、粘弾性を考慮した有限要素モデルを構築し、分岐断層周辺の歪と応力の蓄積過程について考察を行った。複数の断層が変位する場合を考え、媒質内の実効粘性率の関数としてモデルを構築し、実効粘性率が歪と応力の蓄積パターンに及ぼす影響を調べた。その結果、分岐断層に沿いに歪と応力が蓄積されやすく、断層の会合点からの距離に依存して歪と応力の蓄積速度が変化することが明らかになった。また、歪の蓄積と緩和は同時進行し、実効粘性率が低いほど、蓄積速度が小さくなる様子が明らかになった。本報告では最後に、ヒクランギ沈み込み帯の分岐断層周辺で得られた観察結果と本研究の結果を比較し、実際に観測された差応力とせん断歪の特徴と本研究で得られた結果との対応関係についての議論を行う。

In this study, we constructed a viscoelastic finite element model to better represent the mechanical field around a branch fault, and discussed the accumulation processes of both strain and stress around the branch fault. We consider the case of multiple fault dislocations, construct the model as a function of the effective viscosity in the media, and investigate the effect of the effective viscosity on the strain accumulation pattern. We found that strain tends to accumulate on the hanging wall and along branch faults, and the accumulation rate depends on the distance from the junction. The accumulation and relaxation of strain are simultaneous, the lower the effective viscosity, the smaller the accumulation rate. Finally, we compare the results of this study with observations made around a branch fault in the Hikurangi subduction margin and correspondence between the features of differential stress and shear strain actually observed and the results obtained in this study is discussed.

---------- ---------- ---------- ----------

トピック一覧に戻る

Back to Topic List

© Research Center for Earthquake Hazards.

© Research Center for Earthquake Hazards.