更新日:2016.04.12
Updated: 2016.04.12
今週のうなぎセミナーについてご案内いたします。
**************♦ うなぎセミナーのご案内 ♦**************
日時:11月24日(木)14:00~16:00
場所:宇治キャンパス本館E棟2階E-232D
(地震予知研究センター本館セミナー室)
まずはじめに伊東さんが前回セミナーの質問サマリーについて講演し、次に津田さんと篠島さんが下記の内容で講演いたします。
[発表者]
津田寛大
[題目]
山陰地方の下部地殻における地震波速度構造
[要旨]
山陰地方では日本海沿岸に沿って地震が帯状に分布している。なぜ、このように地震分布が局在化するのか。Iio & Kobayashi (2002)の内陸地震発生過程モデルで説明できるのではないかと考えている。モデルでは、下部地殻に局所的にやわらかい領域(以降、weak zone)が存在し、その直上で地震が起こることが提案されている。そこで、本研究では山陰地方において地震波走時トモグラフィーを行い地震帯の直下下部地殻にweak zoneが存在するかを確かめた。その結果、地震帯直下の下部地殻にweak zoneと考えられる低速度域が見つかった。今回の発表では、それらの結果を示すとともに地下構造の三次元可視化の試みとweak zoneの成因の考察について発表します。
--------------------
[発表者]
名古屋大学大学院 環境学研究科 博士後期過程3年 篠島僚平
[題目]
海洋リソスフェア内地震による応力解放から見える海洋リソスフェアの熱収縮変形の異方性
[要旨]
剛体的に振る舞う沈み込む遥か手前の海洋リソスフェア内部においても、頻度は低いがプレート内地震が発生している(海洋リソスフェア内地震)。海洋リソスフェア内地震の主な成因は、海洋リソスフェアの冷却過程における熱収縮によって生じる熱応力である事が分かっている。
海洋リソスフェアの熱収縮変形における未解決の問題の一つに、海洋リソスフェアがどの程度自由に熱収縮変形を起こしているか、という問題がある。熱収縮変形は、その物体が置かれている境界条件によって内部に生じる熱応力が大きく変わる。そのため、そこで起こる海洋リソスフェア内地震による応力解放の各成分の割合やパターン(圧縮か引張)を定量的に調べる事によって、海洋リソスフェアがそれぞれの方向にどの程度自由に熱収縮しているのかを推定する事ができる。本研究は、1964年~2015年における全世界の海洋リソスフェア内地震によるプレート内応力解放を定量的に調べ、モデル計算との比較を通じて、平均的な海洋リソスフェアの熱収縮変形の度合いを推定した。その結果、若い年代の海洋リソスフェアは、拡大軸走行方向にはほぼフリーに収縮している一方、海嶺軸走行方向にはほとんど収縮していない(フリー収縮の0~30%)事が示唆された。
本発表では、上述の解析・結果の紹介と、海洋リソスフェアの熱収縮変形の異方性の原因に関する考察を発表する。
**************♦ 皆さまのご来聴をお待ちしています ♦**************
今後の予定
12月1日:片上
12月8日:石田
12月22日:植村・村本
1月12日:高橋
1月19日:教員
1月30日・31日:修論予行
今週のうなぎセミナーについてご案内いたします。
**************♦ うなぎセミナーのご案内 ♦**************
日時:11月24日(木)14:00~16:00
場所:宇治キャンパス本館E棟2階E-232D
(地震予知研究センター本館セミナー室)
まずはじめに伊東さんが前回セミナーの質問サマリーについて講演し、次に津田さんと篠島さんが下記の内容で講演いたします。
[発表者]
津田寛大
[題目]
山陰地方の下部地殻における地震波速度構造
[要旨]
山陰地方では日本海沿岸に沿って地震が帯状に分布している。なぜ、このように地震分布が局在化するのか。Iio & Kobayashi (2002)の内陸地震発生過程モデルで説明できるのではないかと考えている。モデルでは、下部地殻に局所的にやわらかい領域(以降、weak zone)が存在し、その直上で地震が起こることが提案されている。そこで、本研究では山陰地方において地震波走時トモグラフィーを行い地震帯の直下下部地殻にweak zoneが存在するかを確かめた。その結果、地震帯直下の下部地殻にweak zoneと考えられる低速度域が見つかった。今回の発表では、それらの結果を示すとともに地下構造の三次元可視化の試みとweak zoneの成因の考察について発表します。
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[発表者]
名古屋大学大学院 環境学研究科 博士後期過程3年 篠島僚平
[題目]
海洋リソスフェア内地震による応力解放から見える海洋リソスフェアの熱収縮変形の異方性
[要旨]
剛体的に振る舞う沈み込む遥か手前の海洋リソスフェア内部においても、頻度は低いがプレート内地震が発生している(海洋リソスフェア内地震)。海洋リソスフェア内地震の主な成因は、海洋リソスフェアの冷却過程における熱収縮によって生じる熱応力である事が分かっている。
海洋リソスフェアの熱収縮変形における未解決の問題の一つに、海洋リソスフェアがどの程度自由に熱収縮変形を起こしているか、という問題がある。熱収縮変形は、その物体が置かれている境界条件によって内部に生じる熱応力が大きく変わる。そのため、そこで起こる海洋リソスフェア内地震による応力解放の各成分の割合やパターン(圧縮か引張)を定量的に調べる事によって、海洋リソスフェアがそれぞれの方向にどの程度自由に熱収縮しているのかを推定する事ができる。本研究は、1964年~2015年における全世界の海洋リソスフェア内地震によるプレート内応力解放を定量的に調べ、モデル計算との比較を通じて、平均的な海洋リソスフェアの熱収縮変形の度合いを推定した。その結果、若い年代の海洋リソスフェアは、拡大軸走行方向にはほぼフリーに収縮している一方、海嶺軸走行方向にはほとんど収縮していない(フリー収縮の0~30%)事が示唆された。
本発表では、上述の解析・結果の紹介と、海洋リソスフェアの熱収縮変形の異方性の原因に関する考察を発表する。
**************♦ 皆さまのご来聴をお待ちしています ♦**************
今後の予定
12月1日:片上
12月8日:石田
12月22日:植村・村本
1月12日:高橋
1月19日:教員
1月30日・31日:修論予行
© Research Center for Earthquake Hazards.
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