更新日:2020.05.07
Updated: 2020.05.07
今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(Dec 3).
************** うなぎセミナーのご案内 (Unagi-seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2020年12月3日(木)14:00~
場所:オンライン(Zoom)
Date and time:Dec 3 (Thursday), 14:00~
Site:Online by Zoom
====
[発表者1 (Presenter1)]
野田雄貴 (Yuki Noda)
[題目 (title)]
長野県西部地域で発生した地震の断層面と前震の位置関係
The positional relationship between foreshocks and fault surface of earthquakes in the western Nagano Prefecture region in Japan
[要旨 (Abstract)]
長野県西部地域では1995年6月から10kHzサンプリングによる地震観測が行われており、非常に質の高いデータが数多く記録されている。
本研究では本震およびその前震・余震を時空間的に定義し、観測点ごとに本震とその前震・余震の速度波形の鉛直成分においてP波初動付近の0.01秒間という短いウインドウを用いて相互相関係数が最大になる時間差を求め、それを2つの地震のP波到達時刻の差として扱った。そのようにして得られた時間差を用いて、Ito(1985)を参考に前震および余震について相対震源決定した。また、その余震分布と本震のメカニズム解から本震の断層面の向きを推定し、前震がその断層面に対してどのように位置しているかを調べた。
[発表者2 (Presenter2)]
栗原悠宇希 (Yuuki Kurihara)
[題目 (title)]
非平面断層の動的破壊シミュレーション:間隙水圧、応力方位、断層の屈曲角度等の諸パラメータとISO成分の関係について
[要旨 (Abstract)]
近年、非火山性の地震に関して、モーメント解に等方(ISO)成分を多く持つ震源の存在が示唆されている。本研究においては、ISO成分の卓越した破壊を発生させるために必要な条件について、混合Modeの2次元動的破壊シミュレーションを用いて調べた。
計算には2次元の境界積分方程式法を利用した。滑り速度(区分的に一定値を取る基底関数で離散化)から応力変化を求めるためにTada & Madariaga(2001)で示されている積分核を利用した。また、時間発展の手法にはNoda et al.(2020)で提案された予測子-修正子法を利用した。この計算手法の特色は、非平面断層を扱える点、また混合Modeでの安定的な計算が実現されたことにより、剪断方向だけでなく開口方向の変位を持つ破壊が扱える点である。
パラメータスタディの結果、S値が小さいほど、すなわち間隙水圧が増加するほどISO成分が増える傾向がほぼすべてのケースで見られた。計算に用いた中で、最も高いISO成分を得られたパラメータはΨ=60°かつΨ=-Φで、S値が小さいときであった。このような結果から、ただ間隙水圧が上昇しさえすれば必ずISO成分を伴う破壊になるのではなく、応力の角度に依存するところも大きいと考え、Ψに対するさらに詳細なパラメータスタディを行った。
また、摩擦係数など上述のパラメータスタディでは定数として扱ってきたパラメータを変更したときの影響についても述べる。
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今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
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************** うなぎセミナーのご案内 (Unagi-seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV B, D / Seminar on Seismology IV B, D(修士・博士)
日時:2020年12月3日(木)14:00~
場所:オンライン(Zoom)
Date and time:Dec 3 (Thursday), 14:00~
Site:Online by Zoom
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[発表者1 (Presenter1)]
野田雄貴 (Yuki Noda)
[題目 (title)]
長野県西部地域で発生した地震の断層面と前震の位置関係
The positional relationship between foreshocks and fault surface of earthquakes in the western Nagano Prefecture region in Japan
[要旨 (Abstract)]
長野県西部地域では1995年6月から10kHzサンプリングによる地震観測が行われており、非常に質の高いデータが数多く記録されている。
本研究では本震およびその前震・余震を時空間的に定義し、観測点ごとに本震とその前震・余震の速度波形の鉛直成分においてP波初動付近の0.01秒間という短いウインドウを用いて相互相関係数が最大になる時間差を求め、それを2つの地震のP波到達時刻の差として扱った。そのようにして得られた時間差を用いて、Ito(1985)を参考に前震および余震について相対震源決定した。また、その余震分布と本震のメカニズム解から本震の断層面の向きを推定し、前震がその断層面に対してどのように位置しているかを調べた。
[発表者2 (Presenter2)]
栗原悠宇希 (Yuuki Kurihara)
[題目 (title)]
非平面断層の動的破壊シミュレーション:間隙水圧、応力方位、断層の屈曲角度等の諸パラメータとISO成分の関係について
[要旨 (Abstract)]
近年、非火山性の地震に関して、モーメント解に等方(ISO)成分を多く持つ震源の存在が示唆されている。本研究においては、ISO成分の卓越した破壊を発生させるために必要な条件について、混合Modeの2次元動的破壊シミュレーションを用いて調べた。
計算には2次元の境界積分方程式法を利用した。滑り速度(区分的に一定値を取る基底関数で離散化)から応力変化を求めるためにTada & Madariaga(2001)で示されている積分核を利用した。また、時間発展の手法にはNoda et al.(2020)で提案された予測子-修正子法を利用した。この計算手法の特色は、非平面断層を扱える点、また混合Modeでの安定的な計算が実現されたことにより、剪断方向だけでなく開口方向の変位を持つ破壊が扱える点である。
パラメータスタディの結果、S値が小さいほど、すなわち間隙水圧が増加するほどISO成分が増える傾向がほぼすべてのケースで見られた。計算に用いた中で、最も高いISO成分を得られたパラメータはΨ=60°かつΨ=-Φで、S値が小さいときであった。このような結果から、ただ間隙水圧が上昇しさえすれば必ずISO成分を伴う破壊になるのではなく、応力の角度に依存するところも大きいと考え、Ψに対するさらに詳細なパラメータスタディを行った。
また、摩擦係数など上述のパラメータスタディでは定数として扱ってきたパラメータを変更したときの影響についても述べる。
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© Research Center for Earthquake Hazards.
© Research Center for Earthquake Hazards.