更新日:2015.09.29
Updated: 2015.09.29
今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします.
**************♦ うなぎセミナーのご案内 ♦**************
日時:1月7日(木)14:00~
場所:本館E-232D室
[担当]:片上智史
[題目]:2011年東北地方太平洋沖地震前に海溝軸近傍で観測された低周波微動の検証
A validation analysis of tectonic-tremor’s signal observed on ocean-bottom seismic records
[要旨]:2011年3月11日に発 生した東北地方太平洋沖地震の震源域直上には地震発生前から海底地震計および 海底地震計を用いた観測が実施されている。Ito et al. (2015)では連 続地震波形記録から得られるエンベロープ について2観測点の比を調べ、スロースリップに伴いエンベロープ比(②観測点法)の振幅が、特に海溝 軸近傍の 観測点におい て増加することを述べたが、これ らのシグナルは西南日本で観測されているものより微弱であること と,海溝軸近傍に設置された1つの観測点でのみ 観測されていることから、このシグナルを低周波微動と十分に判 断できていない.よって,ここでは単独の地震観測点記録から微動活動を検出する 方法 [ Stefany et al. (2012) ] を用いて東北地方太平洋沖地震前の低周波微動の活動について再評価する. Stefany et al. (2012) は、アメリカ北西部のカスケード沈み込み帯に設置された広帯域地震計記録に対して、3つ の異なる周波数帯のエンベロープ波形を調べて,それらの比を調べる ことにより、単独観測点記録から低周波微動 を検出する方法を開発した(単独観測点法).本研究では,宮城県沖に設置された17点の海 底地震計(固有周期4.5Hz) で記録された波形にStefany et al. (2012) の手法を適用した.まず,3つの周波数帯域 (0.5-1.0Hz, 2-4Hz, 10-20Hz)のエンベロープを求め、次にそれぞれの周波数帯でエンベロープの比を求め、その振幅の変化に基づき微動の検出 を行った.今回の発表ではその結果と検 出方法の改善策について述べる.
[担当]:津田寛大
[題目]:山陰地方の下部地殻における地震波速度構造
Seismic velocity structure in the lower crust of Sanin district
[要旨]:内陸大地震の発生過程として, Iio and Kobayashi, 2002 等で内陸大地震発生域の直下の下部地殻に局所的 に粘性の小さい(やわらかい)領域があり, その部分が海洋プレートの沈み込みによる応力を受け変形することで直上 に応力集中を及ぼし内陸大地震が発生するというモデルが提案されている.そこで, 2002年鳥取県西部地震など多くの 内陸大地震が発生している山陰地方において地震波走時トモグラフィーを行い下部地殻の詳細な速度構造を推定した いと考えている.
今回の発表では,近地地震の直達波のみを解析に用いたトモグラフィーを試験的に行った結果を示し, 今後行う研究についても述べる.
**************♦ 皆 さまのご来聴をお待ちしています ♦**************
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日時:1月7日(木)14:00~
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[担当]:片上智史
[題目]:2011年東北地方太平洋沖地震前に海溝軸近傍で観測された低周波微動の検証
A validation analysis of tectonic-tremor’s signal observed on ocean-bottom seismic records
[要旨]:2011年3月11日に発 生した東北地方太平洋沖地震の震源域直上には地震発生前から海底地震計および 海底地震計を用いた観測が実施されている。Ito et al. (2015)では連 続地震波形記録から得られるエンベロープ について2観測点の比を調べ、スロースリップに伴いエンベロープ比(②観測点法)の振幅が、特に海溝 軸近傍の 観測点におい て増加することを述べたが、これ らのシグナルは西南日本で観測されているものより微弱であること と,海溝軸近傍に設置された1つの観測点でのみ 観測されていることから、このシグナルを低周波微動と十分に判 断できていない.よって,ここでは単独の地震観測点記録から微動活動を検出する 方法 [ Stefany et al. (2012) ] を用いて東北地方太平洋沖地震前の低周波微動の活動について再評価する. Stefany et al. (2012) は、アメリカ北西部のカスケード沈み込み帯に設置された広帯域地震計記録に対して、3つ の異なる周波数帯のエンベロープ波形を調べて,それらの比を調べる ことにより、単独観測点記録から低周波微動 を検出する方法を開発した(単独観測点法).本研究では,宮城県沖に設置された17点の海 底地震計(固有周期4.5Hz) で記録された波形にStefany et al. (2012) の手法を適用した.まず,3つの周波数帯域 (0.5-1.0Hz, 2-4Hz, 10-20Hz)のエンベロープを求め、次にそれぞれの周波数帯でエンベロープの比を求め、その振幅の変化に基づき微動の検出 を行った.今回の発表ではその結果と検 出方法の改善策について述べる.
[担当]:津田寛大
[題目]:山陰地方の下部地殻における地震波速度構造
Seismic velocity structure in the lower crust of Sanin district
[要旨]:内陸大地震の発生過程として, Iio and Kobayashi, 2002 等で内陸大地震発生域の直下の下部地殻に局所的 に粘性の小さい(やわらかい)領域があり, その部分が海洋プレートの沈み込みによる応力を受け変形することで直上 に応力集中を及ぼし内陸大地震が発生するというモデルが提案されている.そこで, 2002年鳥取県西部地震など多くの 内陸大地震が発生している山陰地方において地震波走時トモグラフィーを行い下部地殻の詳細な速度構造を推定した いと考えている.
今回の発表では,近地地震の直達波のみを解析に用いたトモグラフィーを試験的に行った結果を示し, 今後行う研究についても述べる.
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© Research Center for Earthquake Hazards.
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