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うなぎセミナー 4/27

うなぎセミナー 4/27

セミナー等

SEMINARS

更新日:2017.04.10

Updated: 2017.04.10

  • 開催場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D
  • Place: 京都大学 防災研究所 本館E-232D
  • 開催日時:2017年4月27日(木) 14時00分~
  • Date and Time: 2017年4月27日(木) 14時00分~

今週のセミナーについて連絡いたします.

**************♦ うなぎセミナーのご案内 ♦**************

日時:4月27日(木)14:00~16:00
場所:宇治キャンパス本館E棟2階E-232D
   (地震予知研究センター本館セミナー室)

[発表者(敬称略)]
北 佐枝子(広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻)


[題目]
西南日本における減衰構造の特徴—長期的スロースリップおよび微動との関係—
Seismic attenuation structure associated with episodic tremor and long term slow slip events beneath Shikoku and the Kii peninsula, southwestern Japan, in the Nankai subduction zone

[要旨]
速度構造,減衰構造とスロー地震との関係を調べる研究は世界でも近年特に注目されており,カスカディアやニュージーランドでも成果が上がっており[Audet and Bürgmann, 2014; Eberhart-Phillips et al. 2012],西南日本でも研究がなされている[Shelly et al. 2009; Matsubara et al., 2009; Nakajima and Hasegawa 2017など].私は基盤観測網のデータを使って西南日本下での地震波減衰構造の推定も行い、①四国下では深部低周波微動のセグメント境界(短期的スロースリップの縁に相当)が減衰構造(および速度構造)の高減衰域と低減衰域の境界に位置することを見出した.そして速度構造の先行研究や地形学的成果と比較したところ,このようなスロー地震と関係する四国下での不均質構造の形成が、四国山地の上昇とも関係する可能性があることがわかった.また,②紀伊半島~豊後水道で見られる4つの長期的スロースリップ断層面の全てで上盤側が高Q(低減衰域)であることを見つけた.長期的スロースリップの断層面の上盤側の高Q傾向は,東海地域でも報告されている[高岡ほか2012].これらの結果はプレート境界近傍での流体の存在を想定しているが,長期的スロースリップの発生域の上盤側での流体の存在の否定を意味している.地質学・岩石学的研究成果を考慮しながら,以下のように結果②についての解釈をした.すなわち,減衰構造や速度構造のイメージングでは分解能的には見ることが出来ないくらいの厚さ(厚さ数キロ程度)の石英脈濃集帯が現在のプレート境界面にも形成され,上盤側と下盤側のプレートの隙間を狭くする.さらに,その石英脈がプレート境界上での透水性を弱め,プレート境界での流体圧を高めて長期的スロースリップが発生しやすい環境になる.透水性の弱いプレート境界が形成されたことで,上盤側に流体が上昇せず,結果として流体が豊富な海洋性プレート(下盤側)との物質的な違いが大きくなった.今回の発表では,本研究の今後の展望についても時間があれば紹介させていただく.


**************♦ 皆 さまのご来聴をお待ちしています ♦**************

-------------------今後の予定----------------------
決まり次第お知らせします.

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**************♦ うなぎセミナーのご案内 ♦**************

日時:4月27日(木)14:00~16:00
場所:宇治キャンパス本館E棟2階E-232D
   (地震予知研究センター本館セミナー室)

[発表者(敬称略)]
北 佐枝子(広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻)


[題目]
西南日本における減衰構造の特徴—長期的スロースリップおよび微動との関係—
Seismic attenuation structure associated with episodic tremor and long term slow slip events beneath Shikoku and the Kii peninsula, southwestern Japan, in the Nankai subduction zone

[要旨]
速度構造,減衰構造とスロー地震との関係を調べる研究は世界でも近年特に注目されており,カスカディアやニュージーランドでも成果が上がっており[Audet and Bürgmann, 2014; Eberhart-Phillips et al. 2012],西南日本でも研究がなされている[Shelly et al. 2009; Matsubara et al., 2009; Nakajima and Hasegawa 2017など].私は基盤観測網のデータを使って西南日本下での地震波減衰構造の推定も行い、①四国下では深部低周波微動のセグメント境界(短期的スロースリップの縁に相当)が減衰構造(および速度構造)の高減衰域と低減衰域の境界に位置することを見出した.そして速度構造の先行研究や地形学的成果と比較したところ,このようなスロー地震と関係する四国下での不均質構造の形成が、四国山地の上昇とも関係する可能性があることがわかった.また,②紀伊半島~豊後水道で見られる4つの長期的スロースリップ断層面の全てで上盤側が高Q(低減衰域)であることを見つけた.長期的スロースリップの断層面の上盤側の高Q傾向は,東海地域でも報告されている[高岡ほか2012].これらの結果はプレート境界近傍での流体の存在を想定しているが,長期的スロースリップの発生域の上盤側での流体の存在の否定を意味している.地質学・岩石学的研究成果を考慮しながら,以下のように結果②についての解釈をした.すなわち,減衰構造や速度構造のイメージングでは分解能的には見ることが出来ないくらいの厚さ(厚さ数キロ程度)の石英脈濃集帯が現在のプレート境界面にも形成され,上盤側と下盤側のプレートの隙間を狭くする.さらに,その石英脈がプレート境界上での透水性を弱め,プレート境界での流体圧を高めて長期的スロースリップが発生しやすい環境になる.透水性の弱いプレート境界が形成されたことで,上盤側に流体が上昇せず,結果として流体が豊富な海洋性プレート(下盤側)との物質的な違いが大きくなった.今回の発表では,本研究の今後の展望についても時間があれば紹介させていただく.


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© Research Center for Earthquake Hazards.

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