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うなぎセミナー 5/14

うなぎセミナー 5/14

セミナー等

SEMINARS

更新日:2020.05.07

Updated: 2020.05.07

  • 開催場所:オンライン(Zoom)
  • Place: オンライン(Zoom)
  • 開催日時:2020年5月14日(木) 14時00分~
  • Date and Time: 2020年5月14日(木) 14時00分~

今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(May 14).

************** うなぎセミナーのご案内 (Unagi-seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV A, C / Seminar on Seismology IV A, C(修士・博士)
日時:5月14日(木)14:00~
場所:オンライン(Zoom)

Date and time:May 14 (Thursday), 14:00~
Site:Online by Zoom

====

[発表者1 (Presenter1)]
劉弋鋒 (Yifeng LIU)

[題目 (title)]
津波地震の前震および余震活動の時空間的特徴と波形的特徴​

[要旨 (Abstract)]
津波地震は短周期マグニチュードに比べて大きな津波をもたらす異常な地震である。それゆえ、沿岸部に住んでいる人があまり揺れを感じず、避難行動につながりにくいため、甚大な津波被害へと発展する可能性が高い。本研究では、津波地震的特徴を示す、やや小規模のイベントが本震前後に発生しているか否か検証する事を目的として、過去に発生した津波地震(ニカラグア(1992/09/02, Mw7.7)の前震・余震活動を調べた。さらに津波地震と同様の特徴を示すM5以上の地震が、前震や余震活動の中に含まれていないか調べた。
はじめに、ISCやUSGSなどで公開されている地震カタログとIRISによる波形の記録を用い、前震並びに余震活動の抽出、または時空間的特徴の評価を行った。ニカラグア本震の発生前には、震央から約10km離れた西側でMb5前後の前震(1992/08/10 06:09:20 Mb 5.2, 1992/08/10 06:34:14 Mb4.7, 1992/08/11 05:23:51 Mb 5.1, 1992/08/13 08:41:17 Mb 4.7)が四つ発生した。ここでは、20年間(1983-2012)の地震カタログ中のイベントを津波地震の震源を中心とした5度*5度の領域を1度刻みで分割し、各セグメントに含まれる地震の活動度を調べた。ニカラグア地震の本震発生前には、本震の震源域付近の前震活動にマイグレーションが観測された。マイグレーションに含まれているイベントと同領域で発生した余震の波形を、本震の波形と比較した。ここでは、津波地震と同様の特徴を持つイベントを探すにあたり、領域を分けた本震域内(11.245°~ 12.245°、-86.866°~ -87.866°)で発生したM5以上の地震を対象として、本震近傍の4つの観測点、ならびに20年間分のデータ(本震を含めて17個のイベント)を使い、バンドパスフィルタを0.05~0.5に設置した上で、表面波とSV波の最大振幅の比を求めることでそれぞれの平均値を比べた。結果として、津波地震的特徴を示すイベントとそうでないモノの棲み分けが見られていることが明らかになった。これは、津波地震の発生前とそのあとに関して、いくつかの前震および余震は津波地震と同様の特徴を示している。このことは、本震のみならず、津波地震的な特徴を示す断層運動であることに対し、津波震源域内で発生する小規模な地震は本震と同様の破壊現象であることを示唆する。


[発表者2 (Presenter2)]
岡田悠太郎 (Yutaro Okada)

[題目 (title)]
西南日本の南海沈み込み帯における3成分GNSSデータを用いた短期的スロースリップイベントの検出とその継続期間の推定​

[要旨 (Abstract)]
南海トラフ沿いプレート境界における固着域深部側では,M6程度の短期的スロースリップイベント(以下,SSE)が発生し,ひずみ計・傾斜計やGNSSを用いて検出と断層モデルの推定が行われてきた(e.g., Hirose and Obara, 2005; Nishimura et al., 2013).さらに近年では,海底地殻変動観測の拡充により,固着域の浅部側でもSSEが観測されている(Araki et al., 2017; Yokota and Ishikawa, 2020).そこで本研究では,固着域浅部側を含めた南海トラフ沿岸域で発生する短期的SSEの特徴をより詳細に理解するために,GNSSデータの3成分全てを用いた新たな短期的SSEの検出手法を開発し,西南日本のデータに適用した.
本研究では,解析期間とした1997年から2019年の23年間で,計343個の短期的SSEの検出に成功した.また検出された短期的SSE の中には,深部低周波微動(Obara, 2002)の空白域である紀伊水道や,海域である室戸沖や宮崎沖で発生したSSEが含まれていた.セミナー発表ではこれらの解析結果に加え,西南日本で発生する短期的SSEの地域的特徴や,短期的SSEと深部低周波微動の関係についても議論を行う.

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今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(May 14).

************** うなぎセミナーのご案内 (Unagi-seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV A, C / Seminar on Seismology IV A, C(修士・博士)
日時:5月14日(木)14:00~
場所:オンライン(Zoom)

Date and time:May 14 (Thursday), 14:00~
Site:Online by Zoom

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[発表者1 (Presenter1)]
劉弋鋒 (Yifeng LIU)

[題目 (title)]
津波地震の前震および余震活動の時空間的特徴と波形的特徴​

[要旨 (Abstract)]
津波地震は短周期マグニチュードに比べて大きな津波をもたらす異常な地震である。それゆえ、沿岸部に住んでいる人があまり揺れを感じず、避難行動につながりにくいため、甚大な津波被害へと発展する可能性が高い。本研究では、津波地震的特徴を示す、やや小規模のイベントが本震前後に発生しているか否か検証する事を目的として、過去に発生した津波地震(ニカラグア(1992/09/02, Mw7.7)の前震・余震活動を調べた。さらに津波地震と同様の特徴を示すM5以上の地震が、前震や余震活動の中に含まれていないか調べた。
はじめに、ISCやUSGSなどで公開されている地震カタログとIRISによる波形の記録を用い、前震並びに余震活動の抽出、または時空間的特徴の評価を行った。ニカラグア本震の発生前には、震央から約10km離れた西側でMb5前後の前震(1992/08/10 06:09:20 Mb 5.2, 1992/08/10 06:34:14 Mb4.7, 1992/08/11 05:23:51 Mb 5.1, 1992/08/13 08:41:17 Mb 4.7)が四つ発生した。ここでは、20年間(1983-2012)の地震カタログ中のイベントを津波地震の震源を中心とした5度*5度の領域を1度刻みで分割し、各セグメントに含まれる地震の活動度を調べた。ニカラグア地震の本震発生前には、本震の震源域付近の前震活動にマイグレーションが観測された。マイグレーションに含まれているイベントと同領域で発生した余震の波形を、本震の波形と比較した。ここでは、津波地震と同様の特徴を持つイベントを探すにあたり、領域を分けた本震域内(11.245°~ 12.245°、-86.866°~ -87.866°)で発生したM5以上の地震を対象として、本震近傍の4つの観測点、ならびに20年間分のデータ(本震を含めて17個のイベント)を使い、バンドパスフィルタを0.05~0.5に設置した上で、表面波とSV波の最大振幅の比を求めることでそれぞれの平均値を比べた。結果として、津波地震的特徴を示すイベントとそうでないモノの棲み分けが見られていることが明らかになった。これは、津波地震の発生前とそのあとに関して、いくつかの前震および余震は津波地震と同様の特徴を示している。このことは、本震のみならず、津波地震的な特徴を示す断層運動であることに対し、津波震源域内で発生する小規模な地震は本震と同様の破壊現象であることを示唆する。


[発表者2 (Presenter2)]
岡田悠太郎 (Yutaro Okada)

[題目 (title)]
西南日本の南海沈み込み帯における3成分GNSSデータを用いた短期的スロースリップイベントの検出とその継続期間の推定​

[要旨 (Abstract)]
南海トラフ沿いプレート境界における固着域深部側では,M6程度の短期的スロースリップイベント(以下,SSE)が発生し,ひずみ計・傾斜計やGNSSを用いて検出と断層モデルの推定が行われてきた(e.g., Hirose and Obara, 2005; Nishimura et al., 2013).さらに近年では,海底地殻変動観測の拡充により,固着域の浅部側でもSSEが観測されている(Araki et al., 2017; Yokota and Ishikawa, 2020).そこで本研究では,固着域浅部側を含めた南海トラフ沿岸域で発生する短期的SSEの特徴をより詳細に理解するために,GNSSデータの3成分全てを用いた新たな短期的SSEの検出手法を開発し,西南日本のデータに適用した.
本研究では,解析期間とした1997年から2019年の23年間で,計343個の短期的SSEの検出に成功した.また検出された短期的SSE の中には,深部低周波微動(Obara, 2002)の空白域である紀伊水道や,海域である室戸沖や宮崎沖で発生したSSEが含まれていた.セミナー発表ではこれらの解析結果に加え,西南日本で発生する短期的SSEの地域的特徴や,短期的SSEと深部低周波微動の関係についても議論を行う.

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© Research Center for Earthquake Hazards.

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