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うなぎセミナー 6/2

うなぎセミナー 6/2

セミナー等

SEMINARS

更新日:2022.04.13

Updated: 2022.04.13

  • 開催場所:京都大学防災研究所 連携研究棟301号室(大セミナー室) または オンライン(Zoom)
  • Place: 京都大学防災研究所 連携研究棟301号室(大セミナー室) または オンライン(Zoom)
  • 開催日時:2022年6月2日(木) 14時00分~
  • Date and Time: 2022年6月2日(木) 14時00分~

今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(June, 2).

************** Seminar on Seismology IV A, C /地震学ゼミナールIV A, C (Unagi Seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV A, C / Seminar on Seismology IV A, C(修士・博士)
日時:2022年 6月 2日 (木) 14:00~
場所:京都大学防災研究所 連携研究棟301号室(大セミナー室)または オンライン(Zoom)

Date and Time:2022-06-02, 14:00~
Place:Seminar Room #301, DPRI Collaborative Research Hub, Uji Campus, Kyoto University or Zoom (Hybrid)

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r-uji
(構内マップ中の77番の建物です。)


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Speaker (発表者): 西沢貴志(Takashi NISHIZAWA)
Title (題目): 沈み込み帯の各種パラメターに基づくプレート間相互作用の考察
Abstract (要旨):
沈み込み帯には「島弧で高く、海溝で低く、外縁隆起帯で高い」という特徴的な地形が現れる。その地形の振幅や水平波長は沈み込み帯ごとに多種多様であるものの、上述の特徴は普遍的に見られる。Matsu'ura & Sato (1989)は変位の食い違い(dislocation)をプレート境界に与えることで、定常的なプレートの沈み込みが一定の速度で累積する地殻の変形をもたらすことを示した。このプレート沈み込みによるdislocation modelは、Savage (1983)で提唱されたバックスリップモデルを定常滑りの寄与を含むように一般化したものである。更にHashimoto et al. (2004, 2008)は、日本周辺のプレート境界形状モデルを構築し、プレート沈み込みによるdislocation model を適用した。その結果、計算された隆起速度が、観測されたフリーエア重力異常パターンを非常に良く再現することが分かった。プレート沈み込みによるdislocation modelによって「島弧で高く、海溝で低く、外縁隆起帯で高い」地形が形成される原因については、Fukahata&Matsu'ura (2016)が、重力場において沈み込み帯を構成する海陸両プレートに逆向きのモーメントがかかった結果であるという物理的な説明を与えた。
 本研究では観測データに基づきプレート間相互作用の考察を試みる。全世界の沈み込み帯を対象に、島弧および外縁隆起帯の地形・フリーエア重力異常を調査し、それらの関係について定量的な議論を行った。フリーエア重力異常のデータには海山等の短波長の地形が含まれるため、前処理としていくつかの操作を行った。具体的には、適当な範囲で区切った沈み込み帯のセグメント毎に、海溝の座標データを円弧にフィッティングさせてそれに直交する複数のプロファイルを等間隔に取りスタックすることで、各セグメントを代表するプロファイルを取得した。そうして得られた重力異常データに対して、地形的な高さの指標(隆起帯の高さ、面積等)と、その他の各種パラメター(スラブ年齢、プレート運動速度、プレート形状等)との関係を調査した。本研究を通して、どのようなパラメターが沈み込み帯の地形形成に重要であるのかを理解し、地形形成モデルの構築や適用に貢献することを目指す。

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Presenter (発表者): 井上智裕 (Tomohiro INOUE)
Title (題目): DONET観測網に記録された海底圧力を用いた長期的SSEに起因する海底地殻変動の検出
Abstract (要旨):
海底圧力計は、スロースリップ(以降、SSE)に伴う海底の上下地殻変動を高解像度にかつ連続的に観測可能な機器であり、近年様々な海域で利用されている(例えば、Wallace et al., 2016; Sato et al., 2017)。一方で海底圧力記録には、SSE以外に海洋起源の圧力変動、測器固有のドリフトが含まれ、特に海洋起源の圧力変動が地殻変動と同程度またはそれ以上の振幅および周期で記録される(Muramoto et al., 2019)。このため、SSEに伴う海底地殻変動の推定に際して、海洋起源の圧力変動を適切に除去する必要がある。
海底圧力計記録には、海洋起源成分として、潮汐成分や大気圧や風の影響による非潮汐成分などが含まれる。潮汐成分(周期2日未満)は、フィルター処理により比較的安易に除去できるが、非潮汐成分は、SSEの帯域と似ているため分離が難しい。
最近では、その問題を解決するために、いくつか手法が試されている。例えば、1)海洋モデルによる計算値を観測値から差し引く手法、2)流速を並行観測し観測値を補正する手法、3)EOF(経験的直交関数)やCEOF(複素経験的直交関数)を用いて除去する手法、4)観測点同士を差し引く手法が挙げられる。特に、4)の観測点同士を差し引く手法において、非潮汐成分について等水深における類似性が北米やニュージーランドなどの中緯度に設置された圧力計記録から指摘されている(Fredrickson et al., 2019; Inoue et al., 2021)。これらの研究からSSEによる地殻変動の検出に際して観測点間隔ではなく、ほぼ等水深に設置された観測点間で差分を取ることで、非潮汐成分が効率よく低減できることがこれまでに示されている。
本発表では、DONET観測網に記録された海底圧力に対して、4)の観測点同士を差し引く手法を適用させ、海洋起源の圧力変動を取り除き、南海地域における先行研究にて報告されている浅部SSE(2017年3月-2018年5月)に伴う海底地殻変動を推定することを試みた。
その結果、最大で相対変位で9.7cmの沈降が推定された。得られた相対変位を用いて、1枚の矩形断層近似によるインバージョンを行った結果、Yokota&Ishikawa(2020)にて求められた断層の位置に匹敵する推定結果が得られた。また、推定した矩形断層を用い、Okada et al. (2022)のスタッキング手法を適用させ、SSEの継続期間を求めると、2017年6月から約1年3ヶ月の継続期間が得られた。
 議論では、推定された長期的なSSEと先行研究にて報告されたSSEとの時空間的比較、及び他のスロー地震との時空間分布の比較などを行う。

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今後の予定(schedule)
6/9 :野末、田中
6/16 :大野、佐脇
6/23 :山本、Chintan
6/30 :村本、Admore
7/7 :松尾、岡田
7/14 :小出、野田
7/21 :森永、Frazi

今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。

Here is information of the Unagi-seminar(June, 2).

************** Seminar on Seismology IV A, C /地震学ゼミナールIV A, C (Unagi Seminar) **************

科目:地震学ゼミナールIV A, C / Seminar on Seismology IV A, C(修士・博士)
日時:2022年 6月 2日 (木) 14:00~
場所:京都大学防災研究所 連携研究棟301号室(大セミナー室)または オンライン(Zoom)

Date and Time:2022-06-02, 14:00~
Place:Seminar Room #301, DPRI Collaborative Research Hub, Uji Campus, Kyoto University or Zoom (Hybrid)

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r-uji
(構内マップ中の77番の建物です。)


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Speaker (発表者): 西沢貴志(Takashi NISHIZAWA)
Title (題目): 沈み込み帯の各種パラメターに基づくプレート間相互作用の考察
Abstract (要旨):
沈み込み帯には「島弧で高く、海溝で低く、外縁隆起帯で高い」という特徴的な地形が現れる。その地形の振幅や水平波長は沈み込み帯ごとに多種多様であるものの、上述の特徴は普遍的に見られる。Matsu'ura & Sato (1989)は変位の食い違い(dislocation)をプレート境界に与えることで、定常的なプレートの沈み込みが一定の速度で累積する地殻の変形をもたらすことを示した。このプレート沈み込みによるdislocation modelは、Savage (1983)で提唱されたバックスリップモデルを定常滑りの寄与を含むように一般化したものである。更にHashimoto et al. (2004, 2008)は、日本周辺のプレート境界形状モデルを構築し、プレート沈み込みによるdislocation model を適用した。その結果、計算された隆起速度が、観測されたフリーエア重力異常パターンを非常に良く再現することが分かった。プレート沈み込みによるdislocation modelによって「島弧で高く、海溝で低く、外縁隆起帯で高い」地形が形成される原因については、Fukahata&Matsu'ura (2016)が、重力場において沈み込み帯を構成する海陸両プレートに逆向きのモーメントがかかった結果であるという物理的な説明を与えた。
 本研究では観測データに基づきプレート間相互作用の考察を試みる。全世界の沈み込み帯を対象に、島弧および外縁隆起帯の地形・フリーエア重力異常を調査し、それらの関係について定量的な議論を行った。フリーエア重力異常のデータには海山等の短波長の地形が含まれるため、前処理としていくつかの操作を行った。具体的には、適当な範囲で区切った沈み込み帯のセグメント毎に、海溝の座標データを円弧にフィッティングさせてそれに直交する複数のプロファイルを等間隔に取りスタックすることで、各セグメントを代表するプロファイルを取得した。そうして得られた重力異常データに対して、地形的な高さの指標(隆起帯の高さ、面積等)と、その他の各種パラメター(スラブ年齢、プレート運動速度、プレート形状等)との関係を調査した。本研究を通して、どのようなパラメターが沈み込み帯の地形形成に重要であるのかを理解し、地形形成モデルの構築や適用に貢献することを目指す。

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Presenter (発表者): 井上智裕 (Tomohiro INOUE)
Title (題目): DONET観測網に記録された海底圧力を用いた長期的SSEに起因する海底地殻変動の検出
Abstract (要旨):
海底圧力計は、スロースリップ(以降、SSE)に伴う海底の上下地殻変動を高解像度にかつ連続的に観測可能な機器であり、近年様々な海域で利用されている(例えば、Wallace et al., 2016; Sato et al., 2017)。一方で海底圧力記録には、SSE以外に海洋起源の圧力変動、測器固有のドリフトが含まれ、特に海洋起源の圧力変動が地殻変動と同程度またはそれ以上の振幅および周期で記録される(Muramoto et al., 2019)。このため、SSEに伴う海底地殻変動の推定に際して、海洋起源の圧力変動を適切に除去する必要がある。
海底圧力計記録には、海洋起源成分として、潮汐成分や大気圧や風の影響による非潮汐成分などが含まれる。潮汐成分(周期2日未満)は、フィルター処理により比較的安易に除去できるが、非潮汐成分は、SSEの帯域と似ているため分離が難しい。
最近では、その問題を解決するために、いくつか手法が試されている。例えば、1)海洋モデルによる計算値を観測値から差し引く手法、2)流速を並行観測し観測値を補正する手法、3)EOF(経験的直交関数)やCEOF(複素経験的直交関数)を用いて除去する手法、4)観測点同士を差し引く手法が挙げられる。特に、4)の観測点同士を差し引く手法において、非潮汐成分について等水深における類似性が北米やニュージーランドなどの中緯度に設置された圧力計記録から指摘されている(Fredrickson et al., 2019; Inoue et al., 2021)。これらの研究からSSEによる地殻変動の検出に際して観測点間隔ではなく、ほぼ等水深に設置された観測点間で差分を取ることで、非潮汐成分が効率よく低減できることがこれまでに示されている。
本発表では、DONET観測網に記録された海底圧力に対して、4)の観測点同士を差し引く手法を適用させ、海洋起源の圧力変動を取り除き、南海地域における先行研究にて報告されている浅部SSE(2017年3月-2018年5月)に伴う海底地殻変動を推定することを試みた。
その結果、最大で相対変位で9.7cmの沈降が推定された。得られた相対変位を用いて、1枚の矩形断層近似によるインバージョンを行った結果、Yokota&Ishikawa(2020)にて求められた断層の位置に匹敵する推定結果が得られた。また、推定した矩形断層を用い、Okada et al. (2022)のスタッキング手法を適用させ、SSEの継続期間を求めると、2017年6月から約1年3ヶ月の継続期間が得られた。
 議論では、推定された長期的なSSEと先行研究にて報告されたSSEとの時空間的比較、及び他のスロー地震との時空間分布の比較などを行う。

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今後の予定(schedule)
6/9 :野末、田中
6/16 :大野、佐脇
6/23 :山本、Chintan
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7/7 :松尾、岡田
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© Research Center for Earthquake Hazards.

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