今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
Here is information of the Unagi-seminar(July 1).
************** Seminar on Seismology IV A,C /地震学ゼミナールIVA,C (Unagi Seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV A, C / Seminar on Seismology IV A, C(修士・博士)
日時:2021年 07月 01日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
Date and Time:2021-07-01, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)
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Presenter 1 (発表者 1):
西沢貴志 (Nishizawa Takashi)
Title (題目):
海域および陸域の弾性リソスフェアに働く曲げモーメントの推定
Abstract (要旨):
弾性リソスフェアの厚さを見積もることは長年の問題であり、いくつかの観点から手法が展開されてきた(例えば力学、熱力学、地震波速度構造)。力学的には梁の撓みをモデル化し、そのパラメータとして弾性厚さを推定する手法がとられており、精度向上のために盛んに研究が行われてきた分野である。しかして(Caldwell et al. 1975)が曲げモーメントを導入する以前は、水平方向にかなりの大きさの力を仮定する必要があり、現実的なモデルではなかったと言える。一方で、導入した曲げモーメントが何処から来るのか、その起源に関する物理的な解釈は不十分なままである。(Hashimoto et al. 2004,2008)によって日本域の長期地殻変動が食い違いモデルによって数値的に示されると、(Fukahata et al. 2016)は物理的な検定を行い、見事そのモデルの一般性を示すことに成功した。つまるところ、海洋リソスフェアの定常的な滑りが大陸リソスフェアに変位をもたらすためには、両者の間に作用反作用的に働く力があることを示唆したことになる。そのため本研究では、この力が曲げモーメントであると考えて簡単な解析を行った。曲げモーメントは撓みモデルのパラメータとして得られるので、いくつかの地域の標高・フリーエア重力異常のプロファイルを作成して、これとモデルとを比較した。
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Presenter 2 (発表者 2):
野末 陽平 (Yohei Nozue)
Title (題目):
日本列島における歪み速度場の適切な推定に向けて
Abstract (要旨):
歪みの蓄積速度を適切に推定することは、地震発生確率の精度向上につながることから、防災の観点でも重要なテーマである。GNSS観測データのインバージョン計算により歪み速度場を推定する手法としては、(1)解析領域をブロックに分割し剛体運動をブロック間の相対運動で表すことで内部変形を抽出する手法(Nishimura et al, 2018)や、(2)最小二乗解と平滑化項の和からなる目的関数をABICを用いながら最小化する手法(Okazaki et al, 2021, JpGU)などが挙げられる。しかし、(1)はブロックの分割の仕方に任意性が残るという問題、(2)は平滑化項が強く歪み速度場の局在性が表現できないという問題がある。そこで、修士課程での研究では、GNSS観測データのインバージョン計算にスパースモデリングの手法を応用することで、歪み速度場の遍在性と局在性を適切に推定することを目指す。
本発表では、上記の他にスパースモデリングの概略や現時点での研究の進捗状況を発表する。
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今週のうなぎセミナーについてお知らせいたします。
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************** Seminar on Seismology IV A,C /地震学ゼミナールIVA,C (Unagi Seminar) **************
科目:地震学ゼミナールIV A, C / Seminar on Seismology IV A, C(修士・博士)
日時:2021年 07月 01日 (木) 14:00~
場所:京都大学 防災研究所 本館E-232D または オンライン(Zoom)
Date and Time:2021-07-01, 14:00~
Place:Uji Campus Main Building E232D or Zoom (Hybrid)
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Presenter 1 (発表者 1):
西沢貴志 (Nishizawa Takashi)
Title (題目):
海域および陸域の弾性リソスフェアに働く曲げモーメントの推定
Abstract (要旨):
弾性リソスフェアの厚さを見積もることは長年の問題であり、いくつかの観点から手法が展開されてきた(例えば力学、熱力学、地震波速度構造)。力学的には梁の撓みをモデル化し、そのパラメータとして弾性厚さを推定する手法がとられており、精度向上のために盛んに研究が行われてきた分野である。しかして(Caldwell et al. 1975)が曲げモーメントを導入する以前は、水平方向にかなりの大きさの力を仮定する必要があり、現実的なモデルではなかったと言える。一方で、導入した曲げモーメントが何処から来るのか、その起源に関する物理的な解釈は不十分なままである。(Hashimoto et al. 2004,2008)によって日本域の長期地殻変動が食い違いモデルによって数値的に示されると、(Fukahata et al. 2016)は物理的な検定を行い、見事そのモデルの一般性を示すことに成功した。つまるところ、海洋リソスフェアの定常的な滑りが大陸リソスフェアに変位をもたらすためには、両者の間に作用反作用的に働く力があることを示唆したことになる。そのため本研究では、この力が曲げモーメントであると考えて簡単な解析を行った。曲げモーメントは撓みモデルのパラメータとして得られるので、いくつかの地域の標高・フリーエア重力異常のプロファイルを作成して、これとモデルとを比較した。
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Presenter 2 (発表者 2):
野末 陽平 (Yohei Nozue)
Title (題目):
日本列島における歪み速度場の適切な推定に向けて
Abstract (要旨):
歪みの蓄積速度を適切に推定することは、地震発生確率の精度向上につながることから、防災の観点でも重要なテーマである。GNSS観測データのインバージョン計算により歪み速度場を推定する手法としては、(1)解析領域をブロックに分割し剛体運動をブロック間の相対運動で表すことで内部変形を抽出する手法(Nishimura et al, 2018)や、(2)最小二乗解と平滑化項の和からなる目的関数をABICを用いながら最小化する手法(Okazaki et al, 2021, JpGU)などが挙げられる。しかし、(1)はブロックの分割の仕方に任意性が残るという問題、(2)は平滑化項が強く歪み速度場の局在性が表現できないという問題がある。そこで、修士課程での研究では、GNSS観測データのインバージョン計算にスパースモデリングの手法を応用することで、歪み速度場の遍在性と局在性を適切に推定することを目指す。
本発表では、上記の他にスパースモデリングの概略や現時点での研究の進捗状況を発表する。
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