10月の地震火山グループ研究会を以下の通り10/25に開催致します.今回は視野を広げて,地震~津波~防災にわたる分野の動向を横断的に知る機会を設けることに致しました.所内外のアクティブな方をお招き致しましたので,是非ご参加下さい.
10月地震・火山グループ研究会 <地震津波特集>
日時:2013年10月25日(金)14:30 - 17:45
会場:京都大学宇治キャンパスおおばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の3番の建物です)
プログラム:
・14:30-15:30 前田拓人(東京大学地震研究所 観測開発基盤センター)
「海底圧力観測時代に向けた地震波・津波波動伝播シミュレーションとその応用」
・15:30-16:30 森信人(京都大学防災研究所 沿岸災害研究分野)
「2011年東北地方太平洋沖地震を踏まえた津波減災のための工学的アプローチ」
(休憩)
・16:45-17:45 奥村与志弘(京都大学大学院地球環境学堂)
「巨大津波災害に柔軟で強靱な地域づくりに関する研究」
講演内容:
・前田拓人(東京大学地震研究所 観測開発基盤センター)
「海底圧力観測時代に向けた地震波・津波波動伝播シミュレーションとその応用」
2004年のスマトラ地震以降、DARTをはじめとした海底におけるリアルタイム地 震・津波(圧力)観測が普及してきた。これらの海底観測は、複雑な海岸線の反 射の影響や、湾内の固有振動の影響を受けないため、大変高質な津波記録をもた らしてくれる。さらに、沈み込み帯においては震源域の直上で観測することがで きる可能性があり、即時予測等の防災上のみならず巨大地震の震源過程を考える 上でも非常に有力なツールとなり得る。しかし一方、震源域に近いが故にその記 録は津波・地震動そして地殻変動にともなう圧力変動が複雑に絡み合い、大変に 複雑なものである。 このような記録を直接取り扱うため、地震動と津波とをあえて分離せず、単一 の方程式系から統一的に再現する方法を開発した。講演ではその原理・応用を議 論するとともに、今後ますます重要になってくるであろう大規模数値計算のため の計算科学的側面についても言及する。 また、2011年東北地方太平洋沖地震を契機として、東北日本太平洋沿岸一帯を カバーするリアルタイム地震津波観測網が敷設されつつある。このような多量の データを生かした新しい津波即時予測法の開発についても時間の許す限り紹介し たい。
・森信人(京都大学防災研究所 沿岸災害研究分野)
「2011年東北地方太平洋沖地震を踏まえた津波減災のための工学的アプローチ」
2011年東北地方太平洋沖地震では,減災に対する事前準備としての1)津波波源の想定,2)浸水想定,3)ハードウェア対策,4)ソフトウェア対策,また,発災時における5)津波予報の精度,6)避難のための情報伝達,など様々な課題が津波工学者に提示された.また従来の項目ごとの縦割りの評価ではなく,地震発生から陸上への遡上までの総合的な不確実性の評価の重要性が明らかにされた.沿岸災害研究分野では,上記の1,3,4,5についての研究を進めており,2011年東北地方太平洋沖地震の被害調査から津波の数値モデルの開発および対策への応用までのここ2年の研究室の取り組みについて紹介します.
・奥村与志弘(京都大学大学院地球環境学堂)
「巨大津波災害に柔軟で強靱な地域づくりに関する研究」
東海,東南海・南海地震対策は,東日本大震災の発生を受け,大きな転機を迎えている.これまで考えてこられなかった数千年に1回というような極めて低頻度で規模が巨大な津波の可能性とどう向き合っていけばよいのか.海岸構造物では防ぎきれない巨大津波に対する鉄道や高速道路などの内陸の盛土構造物の津波 被害軽減効果について検討するとともに,東日本大震災の津波避難の事例分析から想定を超える津波に対しても柔軟な避難を可能にする地域づくりの要件を検討する.
10月の地震火山グループ研究会を以下の通り10/25に開催致します.今回は視野を広げて,地震~津波~防災にわたる分野の動向を横断的に知る機会を設けることに致しました.所内外のアクティブな方をお招き致しましたので,是非ご参加下さい.
10月地震・火山グループ研究会 <地震津波特集>
日時:2013年10月25日(金)14:30 - 17:45
会場:京都大学宇治キャンパスおおばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の3番の建物です)
プログラム:
・14:30-15:30 前田拓人(東京大学地震研究所 観測開発基盤センター)
「海底圧力観測時代に向けた地震波・津波波動伝播シミュレーションとその応用」
・15:30-16:30 森信人(京都大学防災研究所 沿岸災害研究分野)
「2011年東北地方太平洋沖地震を踏まえた津波減災のための工学的アプローチ」
(休憩)
・16:45-17:45 奥村与志弘(京都大学大学院地球環境学堂)
「巨大津波災害に柔軟で強靱な地域づくりに関する研究」
講演内容:
・前田拓人(東京大学地震研究所 観測開発基盤センター)
「海底圧力観測時代に向けた地震波・津波波動伝播シミュレーションとその応用」
2004年のスマトラ地震以降、DARTをはじめとした海底におけるリアルタイム地 震・津波(圧力)観測が普及してきた。これらの海底観測は、複雑な海岸線の反 射の影響や、湾内の固有振動の影響を受けないため、大変高質な津波記録をもた らしてくれる。さらに、沈み込み帯においては震源域の直上で観測することがで きる可能性があり、即時予測等の防災上のみならず巨大地震の震源過程を考える 上でも非常に有力なツールとなり得る。しかし一方、震源域に近いが故にその記 録は津波・地震動そして地殻変動にともなう圧力変動が複雑に絡み合い、大変に 複雑なものである。 このような記録を直接取り扱うため、地震動と津波とをあえて分離せず、単一 の方程式系から統一的に再現する方法を開発した。講演ではその原理・応用を議 論するとともに、今後ますます重要になってくるであろう大規模数値計算のため の計算科学的側面についても言及する。 また、2011年東北地方太平洋沖地震を契機として、東北日本太平洋沿岸一帯を カバーするリアルタイム地震津波観測網が敷設されつつある。このような多量の データを生かした新しい津波即時予測法の開発についても時間の許す限り紹介し たい。
・森信人(京都大学防災研究所 沿岸災害研究分野)
「2011年東北地方太平洋沖地震を踏まえた津波減災のための工学的アプローチ」
2011年東北地方太平洋沖地震では,減災に対する事前準備としての1)津波波源の想定,2)浸水想定,3)ハードウェア対策,4)ソフトウェア対策,また,発災時における5)津波予報の精度,6)避難のための情報伝達,など様々な課題が津波工学者に提示された.また従来の項目ごとの縦割りの評価ではなく,地震発生から陸上への遡上までの総合的な不確実性の評価の重要性が明らかにされた.沿岸災害研究分野では,上記の1,3,4,5についての研究を進めており,2011年東北地方太平洋沖地震の被害調査から津波の数値モデルの開発および対策への応用までのここ2年の研究室の取り組みについて紹介します.
・奥村与志弘(京都大学大学院地球環境学堂)
「巨大津波災害に柔軟で強靱な地域づくりに関する研究」
東海,東南海・南海地震対策は,東日本大震災の発生を受け,大きな転機を迎えている.これまで考えてこられなかった数千年に1回というような極めて低頻度で規模が巨大な津波の可能性とどう向き合っていけばよいのか.海岸構造物では防ぎきれない巨大津波に対する鉄道や高速道路などの内陸の盛土構造物の津波 被害軽減効果について検討するとともに,東日本大震災の津波避難の事例分析から想定を超える津波に対しても柔軟な避難を可能にする地域づくりの要件を検討する.
© Research Center for Earthquake Hazards.
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