下記の通り,11月25日に京都大学防災研究所地震・火山グループ研究会を開催いたします.
皆様お誘い合わせの上,ご参加いただきますようお願いします.
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●2016年11月 地震・火山研究グループ研究会
日時:2016年11月25日(金)14:00 - 16:00
会場:京都大学防災研究所 大会議室 (本館S棟5階S-519D室)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の27番の建物です)
時間:14:00-15:00
講演者:寺川寿子講師(名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山研究センター)
タイトル:応力場の時間変化に基づく御嶽火山のモニタリング
要旨:
2014年9月27日,午前11時52分,御嶽山は7年ぶり,有史以来4度目の水蒸気噴火(VEI = 2)を起こした.火山活動にはしばしば地震活動が伴うことから,これまで地震観測を通じて火山の状態を把握する試みがなされてきた.しかし,火山性地震の種類/活動度の推移の傾向から大まかな噴火過程の予測は行われているものの,不確定性が大きいのが現状である.本セミナーでは,御獄山直下の局所応力場に着目し,応力場の時間変化を通じて火山活動をモニターする取り組みについて紹介する.
火山直下の局所応力場は,一般に,プレート運動による広域応力場と火山活動による応力変動場との重ね合わせである.数週間から数年といった中短期的時間スケールでは,広域応力場は時間変化しないと思ってよい.したがって,火山直下の局所応力場が時間変化すれば,それは火山活動と直接結びつく.この考えに基づき,我々は,御獄山周辺域の広域応力場を基本応力場とし,火山構造性地震のメカニズム解のミスフィット角を調べることで,局所応力場の時間変化を広域応力場からのずれとして定量的に検出することを試みた.これまでに,噴火前の約2週間には火山活動の活発化により広域応力場を乱す東西引張の応力変動場が形成されていたことや,噴火後は広域応力場に支配されて地殻が収縮することなどがわかった.
時間:15:00-16:00
講演者:村瀬雅之准教授(日本大学文理学部地球科学科)
タイトル:繰り返し精密水準測量を用いた噴火準備過程の解明 -御嶽火山と台湾大屯火山―
要旨:
活火山では静穏な時期であっても,その地下ではマグマの蓄積や熱水活動が進行していると考えられ,それらの活動を捉えることは,次の噴火の時期や噴火の規模を考える上で重要である.そこで噴火準備過程の検出のための精密水準測量を行ってきた.精密水準測量では数mmの上下変動を検出することが可能である.またステンレスピンを既存構造物に設置した水準点を用いることで,稠密なデータを取ることも容易である.したがって,局所的で変動量も小さいと想定される熱水活動なども捉えることができる手法であると考える.
本発表では御嶽火山と台湾大屯火山で行った水準測量によって検出された地殻変動とその解釈を中心に紹介する.御嶽火山では2006年末からGPS・水準測量で地殻変動が捉えられ2007年3月に小噴火したと考えられる.噴火後もわずかな隆起が継続していることを水準測量は捉えていた.この変動はGPSでは見えていなかった.また台湾大屯火山においても水準測量によってGPSでは捉えられていなかった噴気地帯の周辺の局所的隆起を検出した.水準測量の利点を生かした観測をすることで,既存の観測網で捉え切れていなかった噴火準備過程の変動が捉えられる可能性がある.
下記の通り,11月25日に京都大学防災研究所地震・火山グループ研究会を開催いたします.
皆様お誘い合わせの上,ご参加いただきますようお願いします.
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●2016年11月 地震・火山研究グループ研究会
日時:2016年11月25日(金)14:00 - 16:00
会場:京都大学防災研究所 大会議室 (本館S棟5階S-519D室)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の27番の建物です)
時間:14:00-15:00
講演者:寺川寿子講師(名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山研究センター)
タイトル:応力場の時間変化に基づく御嶽火山のモニタリング
要旨:
2014年9月27日,午前11時52分,御嶽山は7年ぶり,有史以来4度目の水蒸気噴火(VEI = 2)を起こした.火山活動にはしばしば地震活動が伴うことから,これまで地震観測を通じて火山の状態を把握する試みがなされてきた.しかし,火山性地震の種類/活動度の推移の傾向から大まかな噴火過程の予測は行われているものの,不確定性が大きいのが現状である.本セミナーでは,御獄山直下の局所応力場に着目し,応力場の時間変化を通じて火山活動をモニターする取り組みについて紹介する.
火山直下の局所応力場は,一般に,プレート運動による広域応力場と火山活動による応力変動場との重ね合わせである.数週間から数年といった中短期的時間スケールでは,広域応力場は時間変化しないと思ってよい.したがって,火山直下の局所応力場が時間変化すれば,それは火山活動と直接結びつく.この考えに基づき,我々は,御獄山周辺域の広域応力場を基本応力場とし,火山構造性地震のメカニズム解のミスフィット角を調べることで,局所応力場の時間変化を広域応力場からのずれとして定量的に検出することを試みた.これまでに,噴火前の約2週間には火山活動の活発化により広域応力場を乱す東西引張の応力変動場が形成されていたことや,噴火後は広域応力場に支配されて地殻が収縮することなどがわかった.
時間:15:00-16:00
講演者:村瀬雅之准教授(日本大学文理学部地球科学科)
タイトル:繰り返し精密水準測量を用いた噴火準備過程の解明 -御嶽火山と台湾大屯火山―
要旨:
活火山では静穏な時期であっても,その地下ではマグマの蓄積や熱水活動が進行していると考えられ,それらの活動を捉えることは,次の噴火の時期や噴火の規模を考える上で重要である.そこで噴火準備過程の検出のための精密水準測量を行ってきた.精密水準測量では数mmの上下変動を検出することが可能である.またステンレスピンを既存構造物に設置した水準点を用いることで,稠密なデータを取ることも容易である.したがって,局所的で変動量も小さいと想定される熱水活動なども捉えることができる手法であると考える.
本発表では御嶽火山と台湾大屯火山で行った水準測量によって検出された地殻変動とその解釈を中心に紹介する.御嶽火山では2006年末からGPS・水準測量で地殻変動が捉えられ2007年3月に小噴火したと考えられる.噴火後もわずかな隆起が継続していることを水準測量は捉えていた.この変動はGPSでは見えていなかった.また台湾大屯火山においても水準測量によってGPSでは捉えられていなかった噴気地帯の周辺の局所的隆起を検出した.水準測量の利点を生かした観測をすることで,既存の観測網で捉え切れていなかった噴火準備過程の変動が捉えられる可能性がある.
© Research Center for Earthquake Hazards.
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