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地震・火山研究グループ研究会(3月28日)

Seismic and Volcanic Hazards Mitigation Research Group Workshop (March 28, 2014)

セミナー等

SEMINARS

更新日:2014.02.28

Updated: 2014.02.28

下記の通り,今年度最後の防災研地震・火山グループ研究会を開催いたします.

そこで,防災研火山活動研究センターの井口先生と味喜先生に講演をお願いしま した.

皆様お誘い合わせの上,是非ご参加いただきますようお願い申し上げます.

 

 

3月地震・火山グループ研究会

日時:2014年3月28日(金)14:00 - 16:15
会場:京都大学宇治キャンパスおおばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の3番の建物です)

 

プログラム:

・14:00-15:00 味喜大介助教(京都大学防災研究所火山活動研究センター)

「溶岩の古地磁気学的推定年代と推定噴出量に基づく桜島・南岳成層火山の形成 過程」

桜島・南岳成層火山を構成する溶岩類のうち,これまで年代が曖昧であった桜島南岳南斜面に分布する有村溶岩の古地磁気学的年代推定を行った.この結果とこれまでに得られた溶岩の推定年代と,南岳起源の溶岩流の体積を推定し,これらを併せて南岳成層火山の形成過程について考察した.有村溶岩の古地磁気方位からは 3.1-2.7ka頃の古地磁気学的推定年代が得られた.その下位の観音崎溶岩の古地磁気学的推定年代は3ka頃と考えられる.これらは数百年間のうちに相次いで発生した一連の噴火で流出した可能性が高い.古期南岳の溶岩のうちこれら3ka前後に噴出した溶岩の噴出量が大きく、南岳成層火山の主部は3ka頃の数百年間にほぼ現在の形にまで急速に成長したと考えられる.天平宝字噴火以降現在に至るまでの新期南岳期の長期的なマグマ噴出率は古期南岳期に比べて明らかに大きく,特に安永噴火以降の噴出率が大きい.

 

・15:15-16:15 井口正人教授(京都大学防災研究所火山活動研究センター)

「火山噴火災害軽減に関する基本的考え方」

現在の認識ではすべての自然災害は複合災害であり,その観点からみると火山噴火災害は複合性の高い自然災害である.それは,火山噴火に起因する災害は地中から地球の表面に新たなマグマ物質が湧き上がってくることによって引き起こされることによる.その意味において,他の自然災害とは異なる種類の災害である.ある人間の居住区に対して外部から新たな物質が来るという意味では,津波と類似する現象であるかもしれない.基本的に災害はその原因となる現象の規模に大きく依存するものであり,火山噴火災害もその例外ではなく,火山噴出物の 噴出量と噴出レートが災害規模を左右する.ここで,噴出量と噴出レートを分けて議論するのは,噴出レートの時間関数についてすべての噴火様式について統一的に説明できる規則性が発見されていないことによる.過去の噴火履歴に基づいて,ありうる噴火シナリオを構築し,直前の地球物理学観測データに基づいて噴火シナリオの1つを選択し,噴出レートの時間関数を予測することが当面の課題である.噴出レートの時間関数の予測,あるいは噴出レートのリアルタイム評価は,シミュレーションによって,例えば,大気中の火山灰の拡散と粒子密度予測あるいは,火山周辺での火山灰の堆積量の予測を可能にし,雨量などのトリガー要因を考慮することにより,その後に引き起こされる土砂の移動と再堆積を予測できるものである.

下記の通り,今年度最後の防災研地震・火山グループ研究会を開催いたします.

そこで,防災研火山活動研究センターの井口先生と味喜先生に講演をお願いしま した.

皆様お誘い合わせの上,是非ご参加いただきますようお願い申し上げます.

 

 

3月地震・火山グループ研究会

日時:2014年3月28日(金)14:00 - 16:15
会場:京都大学宇治キャンパスおおばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の3番の建物です)

 

プログラム:

・14:00-15:00 味喜大介助教(京都大学防災研究所火山活動研究センター)

「溶岩の古地磁気学的推定年代と推定噴出量に基づく桜島・南岳成層火山の形成 過程」

桜島・南岳成層火山を構成する溶岩類のうち,これまで年代が曖昧であった桜島南岳南斜面に分布する有村溶岩の古地磁気学的年代推定を行った.この結果とこれまでに得られた溶岩の推定年代と,南岳起源の溶岩流の体積を推定し,これらを併せて南岳成層火山の形成過程について考察した.有村溶岩の古地磁気方位からは 3.1-2.7ka頃の古地磁気学的推定年代が得られた.その下位の観音崎溶岩の古地磁気学的推定年代は3ka頃と考えられる.これらは数百年間のうちに相次いで発生した一連の噴火で流出した可能性が高い.古期南岳の溶岩のうちこれら3ka前後に噴出した溶岩の噴出量が大きく、南岳成層火山の主部は3ka頃の数百年間にほぼ現在の形にまで急速に成長したと考えられる.天平宝字噴火以降現在に至るまでの新期南岳期の長期的なマグマ噴出率は古期南岳期に比べて明らかに大きく,特に安永噴火以降の噴出率が大きい.

 

・15:15-16:15 井口正人教授(京都大学防災研究所火山活動研究センター)

「火山噴火災害軽減に関する基本的考え方」

現在の認識ではすべての自然災害は複合災害であり,その観点からみると火山噴火災害は複合性の高い自然災害である.それは,火山噴火に起因する災害は地中から地球の表面に新たなマグマ物質が湧き上がってくることによって引き起こされることによる.その意味において,他の自然災害とは異なる種類の災害である.ある人間の居住区に対して外部から新たな物質が来るという意味では,津波と類似する現象であるかもしれない.基本的に災害はその原因となる現象の規模に大きく依存するものであり,火山噴火災害もその例外ではなく,火山噴出物の 噴出量と噴出レートが災害規模を左右する.ここで,噴出量と噴出レートを分けて議論するのは,噴出レートの時間関数についてすべての噴火様式について統一的に説明できる規則性が発見されていないことによる.過去の噴火履歴に基づいて,ありうる噴火シナリオを構築し,直前の地球物理学観測データに基づいて噴火シナリオの1つを選択し,噴出レートの時間関数を予測することが当面の課題である.噴出レートの時間関数の予測,あるいは噴出レートのリアルタイム評価は,シミュレーションによって,例えば,大気中の火山灰の拡散と粒子密度予測あるいは,火山周辺での火山灰の堆積量の予測を可能にし,雨量などのトリガー要因を考慮することにより,その後に引き起こされる土砂の移動と再堆積を予測できるものである.

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© Research Center for Earthquake Hazards.

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