下記の通り,2015年度最初の防災研地震・火山グループ研究会を開催いたします.
今回は,南海トラフ巨大地震に関連するトピックスとして,
海底観測データを用いた様々な成果を出しておられる九州大学の辻さんと
海上保安庁の横田さんに講演をお願いしております.
皆様お誘い合わせの上,是非ご参加いただきますようお願い申し上げます.
4月地震・火山グループ研究会
日時:2015年4月24日(金)15:00 – 17:00
会場:京都大学宇治キャンパス おうばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の3番の建物です)
発表者:辻 健(九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所准教授)
タイトル:南海トラフの浅部プレート境界断層と巨大分岐断層の新たな解釈
要旨:熊野沖南海トラフ付加体で取得された海底地震計データに対して、波形トモグラ フィという解析を 適用することによって、深部分岐断層の弾性波速度を高解像度で推定した。 その弾性波速度などの情報から、分岐断層やプレート境界断層周辺の間隙水圧を推定 した。 その結果、巨大分岐断層の下盤側の間隙水圧は高く、その高い間隙水圧で特徴づけら れる分岐断層は、 海側に発達しているプレート境界断層と連続していることが分かった。つまり巨大分 岐断層は、 トラフ軸へ続くプレート境界断層(デタッチメント断層)であり、その断層から、いく つかの断層が 分岐しているという新しい断層像が明らかとなってきた。これまで分岐断層が海底に 到達していると 考えられていた外縁隆起帯では、地震波異方性解析の結果などから、横ずれ断層が発 達していることが 分かってきた。この横ずれ断層は、沈み込むフィリピン海プレートの横ずれ成分を部 分的に 解消していると考えられる。
発表者:横田裕輔(海上保安庁海洋情報部海洋調査課海洋防災調査室)
タイトル:南海トラフ沿いの海底地殻変動観測
要旨:海上保安庁海洋情報部では,2000年以降,継続的に日本列島の太平洋側海域で海底 地殻変動観測を 実施しており,陸域からでは観測できない地殻変動現象を捉えてきた [e.g., Sato et al., 2011, Science; Watanabe et al., 2014, GRL]。 2011年に発生した東北沖地震と同様に,南海トラフで想定される巨大地震も海溝型地震 であり, 海底地殻変動観測によるデータの蓄積が重要である。南海トラフ沿いでは,現在,合 計15点での観測を行っている。 この発表では,これまでの観測結果について紹介し,南海トラフ沿いのひずみ蓄積の空 間分布と 他の観測事象との関係性について述べる。また,最新の観測手法・解析手法も紹介し, 現状の課題と今後の展望についても述べる。
下記の通り,2015年度最初の防災研地震・火山グループ研究会を開催いたします.
今回は,南海トラフ巨大地震に関連するトピックスとして,
海底観測データを用いた様々な成果を出しておられる九州大学の辻さんと
海上保安庁の横田さんに講演をお願いしております.
皆様お誘い合わせの上,是非ご参加いただきますようお願い申し上げます.
4月地震・火山グループ研究会
日時:2015年4月24日(金)15:00 – 17:00
会場:京都大学宇治キャンパス おうばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の3番の建物です)
発表者:辻 健(九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所准教授)
タイトル:南海トラフの浅部プレート境界断層と巨大分岐断層の新たな解釈
要旨:熊野沖南海トラフ付加体で取得された海底地震計データに対して、波形トモグラ フィという解析を 適用することによって、深部分岐断層の弾性波速度を高解像度で推定した。 その弾性波速度などの情報から、分岐断層やプレート境界断層周辺の間隙水圧を推定 した。 その結果、巨大分岐断層の下盤側の間隙水圧は高く、その高い間隙水圧で特徴づけら れる分岐断層は、 海側に発達しているプレート境界断層と連続していることが分かった。つまり巨大分 岐断層は、 トラフ軸へ続くプレート境界断層(デタッチメント断層)であり、その断層から、いく つかの断層が 分岐しているという新しい断層像が明らかとなってきた。これまで分岐断層が海底に 到達していると 考えられていた外縁隆起帯では、地震波異方性解析の結果などから、横ずれ断層が発 達していることが 分かってきた。この横ずれ断層は、沈み込むフィリピン海プレートの横ずれ成分を部 分的に 解消していると考えられる。
発表者:横田裕輔(海上保安庁海洋情報部海洋調査課海洋防災調査室)
タイトル:南海トラフ沿いの海底地殻変動観測
要旨:海上保安庁海洋情報部では,2000年以降,継続的に日本列島の太平洋側海域で海底 地殻変動観測を 実施しており,陸域からでは観測できない地殻変動現象を捉えてきた [e.g., Sato et al., 2011, Science; Watanabe et al., 2014, GRL]。 2011年に発生した東北沖地震と同様に,南海トラフで想定される巨大地震も海溝型地震 であり, 海底地殻変動観測によるデータの蓄積が重要である。南海トラフ沿いでは,現在,合 計15点での観測を行っている。 この発表では,これまでの観測結果について紹介し,南海トラフ沿いのひずみ蓄積の空 間分布と 他の観測事象との関係性について述べる。また,最新の観測手法・解析手法も紹介し, 現状の課題と今後の展望についても述べる。
© Research Center for Earthquake Hazards.
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