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地震・火山研究グループ研究会(6月22日)

Seismic and Volcanic Hazards Mitigation Research Group Workshop (June 22, 2018)

セミナー等

SEMINARS

更新日:2018.06.12

Updated: 2018.06.12

2018年度第2回地震・火山グループ研究会の詳細について、下記の通りご案内致します。
お誘い合わせの上、奮ってご参加下さい。

 

--------------2018年6月 地震・火山グループ研究会-------------
日時:平成30年6月22日(金) 15:00~17:10
場所:京都大学宇治キャンパスおうばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の26番の建物です)

スケジュール:

1.15:00~16:00
郭 雨佳(ごう うぃちゃー)研究員(地域地盤環境研究所)

講演題目:
南海トラフ付加体の三次元速度構造とその地震波動場への影響

講演要旨:
沈み込むフィリピン海プレートの上には,最大厚さ6 km以上に及ぶ低速度層の付加体が堆積している.その三次元速度構造は重要な伝播経路特性として,海域から陸域への地震波伝播に影響を及ぼすと考えられ,その影響の評価やメカニズムの解明は,南海トラフ地震による長周期地震動に対する予測の高度化につながる.本研究ではまず,既往の三次元速度構造インバージョンの手法を改良し,海域観測網のデータを使用して付加体の三次元速度構造を推定した.次に,得られた三次元速度構造モデルを用いて,南海トラフ地震の震源域の広域性を考慮した長周期地震動シミュレーションを行い,南海トラフ地震の波動場や付加体効果について評価した.その結果,付加体はおもに,陸域地震動の継続時間を延ばすとともに,短周期(周期約10秒)成分を減少させる効果を持つことが明らかになった.継続時間の伸長にはトラフ軸側の付加体/地殻境界で生成する盆地生成表面波が寄与しており,また,短周期成分の減少には付加体だけでなく海水の影響も関係していると考えられる.発表では,付加体の三次元速度構造およびそれに関連する地震波伝播メカニズムについて紹介する.

 

2.16:10~17:10
釜江克宏 特任教授(京都大学複合原子力科学研究所)

講演題目:
地震被害軽減のための強震動予測 -近年の大・巨・超巨大地震の知見等を反映して-

講演要旨:
1995年兵庫県南部地震の後、文科省に設置された地震本部(地震調査研究推進本部)による地震動予測地図(確率論的、シナリオ地震)の策定・公表を受け、将来の地震に対する強震動予測手法(レシピ)の開発研究がより精力的に行われて来た。レシピでは震源のモデル化から、地下構造のモデル化、地震動評価、結果の検証までの一連の枠組みが提案され、多くの分野で適用されている。特に、震源のモデル化や地震動評価手法については、1995年兵庫県南部地震以後、多発する被害地震(内陸地殻内、プレート境界、プレート内)時の多くの観測記録の分析に基づく高度化が図られ、現在に至っている。特に原子力の世界では設計の基本になる基準地震動策定にも適用されており、新知見の導入など、積極的な取り組みも行われている。また、2016年熊本地震は、既存の活断層により発生した地震で、事前に地震動予測が実施されていた初めての地震であったことや、地表地震断層が出現したことなどを受け、レシピのさらなる高度化への議論が始まっている。講演では、このような強震動予測研究への初期の取り組みや、その高度化への変遷、さらには最近の被害地震を背景とした問題提起、などを含め、話題提供を行いたい。

 

 

2018年度第2回地震・火山グループ研究会の詳細について、下記の通りご案内致します。
お誘い合わせの上、奮ってご参加下さい。

 

--------------2018年6月 地震・火山グループ研究会-------------
日時:平成30年6月22日(金) 15:00~17:10
場所:京都大学宇治キャンパスおうばくプラザセミナー室4・5
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の26番の建物です)

スケジュール:

1.15:00~16:00
郭 雨佳(ごう うぃちゃー)研究員(地域地盤環境研究所)

講演題目:
南海トラフ付加体の三次元速度構造とその地震波動場への影響

講演要旨:
沈み込むフィリピン海プレートの上には,最大厚さ6 km以上に及ぶ低速度層の付加体が堆積している.その三次元速度構造は重要な伝播経路特性として,海域から陸域への地震波伝播に影響を及ぼすと考えられ,その影響の評価やメカニズムの解明は,南海トラフ地震による長周期地震動に対する予測の高度化につながる.本研究ではまず,既往の三次元速度構造インバージョンの手法を改良し,海域観測網のデータを使用して付加体の三次元速度構造を推定した.次に,得られた三次元速度構造モデルを用いて,南海トラフ地震の震源域の広域性を考慮した長周期地震動シミュレーションを行い,南海トラフ地震の波動場や付加体効果について評価した.その結果,付加体はおもに,陸域地震動の継続時間を延ばすとともに,短周期(周期約10秒)成分を減少させる効果を持つことが明らかになった.継続時間の伸長にはトラフ軸側の付加体/地殻境界で生成する盆地生成表面波が寄与しており,また,短周期成分の減少には付加体だけでなく海水の影響も関係していると考えられる.発表では,付加体の三次元速度構造およびそれに関連する地震波伝播メカニズムについて紹介する.

 

2.16:10~17:10
釜江克宏 特任教授(京都大学複合原子力科学研究所)

講演題目:
地震被害軽減のための強震動予測 -近年の大・巨・超巨大地震の知見等を反映して-

講演要旨:
1995年兵庫県南部地震の後、文科省に設置された地震本部(地震調査研究推進本部)による地震動予測地図(確率論的、シナリオ地震)の策定・公表を受け、将来の地震に対する強震動予測手法(レシピ)の開発研究がより精力的に行われて来た。レシピでは震源のモデル化から、地下構造のモデル化、地震動評価、結果の検証までの一連の枠組みが提案され、多くの分野で適用されている。特に、震源のモデル化や地震動評価手法については、1995年兵庫県南部地震以後、多発する被害地震(内陸地殻内、プレート境界、プレート内)時の多くの観測記録の分析に基づく高度化が図られ、現在に至っている。特に原子力の世界では設計の基本になる基準地震動策定にも適用されており、新知見の導入など、積極的な取り組みも行われている。また、2016年熊本地震は、既存の活断層により発生した地震で、事前に地震動予測が実施されていた初めての地震であったことや、地表地震断層が出現したことなどを受け、レシピのさらなる高度化への議論が始まっている。講演では、このような強震動予測研究への初期の取り組みや、その高度化への変遷、さらには最近の被害地震を背景とした問題提起、などを含め、話題提供を行いたい。

 

 

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© Research Center for Earthquake Hazards.

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