下記の通り,2015年度3回目の防災研地震・火山グループ研究会を開催いたします.
今回は,京都大学に着任されたばかりの若手の地震工学研究者2名をお招きして,研究発表をしていただきます.
皆様お誘い合わせの上,是非ご参加いただきますようお願い申し上げます.
2015年7月地震・火山グループ研究会
日時:2015年7月24日(金)14:30 – 16:30
会場:京都大学宇治キャンパス 連携研究棟301号室(3階)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の34番の建物です)
発表者:上田恭平(京都大学防災研究所 地盤災害研究部門 地盤防災解析分野)
タイトル:地盤・構造物系の地震時被害予測における大変形解析の適用性
要旨:
社会インフラとしての地盤・構造物系の地震時被害予測において、有限要素法 による有効応力解析法は、地盤の非線形性や地盤・構造物間の動的相互作用を考 慮できることから非常に有効な手法の一つである。有効応力解析では液状化等に 伴う地盤の複雑な非線形挙動を適切に表現できる土の構成モデルが必要であり、 粒状体の力学モデルとしてのひずみ空間多重せん断モデルは、土の繰返しせん断 時に重要となる主応力軸の回転の影響を自然に考慮できるなどの利点を有してい る。しかし、その定式化は微小変形理論に基づくもので、モデルの適用範囲は変 形およびひずみが大きくない現象に限られていた。そこで、地震時における地 盤・構造物系の被害推定を従来よりも高精度で行うため、大変形(有限ひずみ) 理論の枠組みでひずみ空間多重せん断モデルの拡張を行った。本発表では、大変 形解析に必要なTotal Lagrangian法、およびUpdated Lagrangian法の両者による 定式化の概要について示すとともに、拡張されたモデルの適用性を検証するため に実施した過去の地震時被災事例等に対する再現解析の結果について報告する。
発表者:杉野未奈(京都大学大学院工学研究科 建築学専攻 建築保全再生学講座)
タイトル:振動計測で伝統木造建物の安全性が分かる?
要旨:
伝統木造建物の常時微動計測から得られる固有振動数は、微小変形領域の剛性 を表しており、建物の耐力や変形性能を表す値ではない。従って、常 時微動計 測から伝統木造建物の耐震性能を把握することは出来ないという批判がある。本 発表では、全国各地に存在する多数の伝統木造建物の中か ら、耐震性能を詳細 に検討すべき建物を迅速に選び出すスクリーニングを行ったり、パルス性地震動 下での建物の最大応答変形や被害を評価・解釈 する上で、常時微動計測が有用 となることを紹介したい。
下記の通り,2015年度3回目の防災研地震・火山グループ研究会を開催いたします.
今回は,京都大学に着任されたばかりの若手の地震工学研究者2名をお招きして,研究発表をしていただきます.
皆様お誘い合わせの上,是非ご参加いただきますようお願い申し上げます.
2015年7月地震・火山グループ研究会
日時:2015年7月24日(金)14:30 – 16:30
会場:京都大学宇治キャンパス 連携研究棟301号室(3階)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の34番の建物です)
発表者:上田恭平(京都大学防災研究所 地盤災害研究部門 地盤防災解析分野)
タイトル:地盤・構造物系の地震時被害予測における大変形解析の適用性
要旨:
社会インフラとしての地盤・構造物系の地震時被害予測において、有限要素法 による有効応力解析法は、地盤の非線形性や地盤・構造物間の動的相互作用を考 慮できることから非常に有効な手法の一つである。有効応力解析では液状化等に 伴う地盤の複雑な非線形挙動を適切に表現できる土の構成モデルが必要であり、 粒状体の力学モデルとしてのひずみ空間多重せん断モデルは、土の繰返しせん断 時に重要となる主応力軸の回転の影響を自然に考慮できるなどの利点を有してい る。しかし、その定式化は微小変形理論に基づくもので、モデルの適用範囲は変 形およびひずみが大きくない現象に限られていた。そこで、地震時における地 盤・構造物系の被害推定を従来よりも高精度で行うため、大変形(有限ひずみ) 理論の枠組みでひずみ空間多重せん断モデルの拡張を行った。本発表では、大変 形解析に必要なTotal Lagrangian法、およびUpdated Lagrangian法の両者による 定式化の概要について示すとともに、拡張されたモデルの適用性を検証するため に実施した過去の地震時被災事例等に対する再現解析の結果について報告する。
発表者:杉野未奈(京都大学大学院工学研究科 建築学専攻 建築保全再生学講座)
タイトル:振動計測で伝統木造建物の安全性が分かる?
要旨:
伝統木造建物の常時微動計測から得られる固有振動数は、微小変形領域の剛性 を表しており、建物の耐力や変形性能を表す値ではない。従って、常 時微動計 測から伝統木造建物の耐震性能を把握することは出来ないという批判がある。本 発表では、全国各地に存在する多数の伝統木造建物の中か ら、耐震性能を詳細 に検討すべき建物を迅速に選び出すスクリーニングを行ったり、パルス性地震動 下での建物の最大応答変形や被害を評価・解釈 する上で、常時微動計測が有用 となることを紹介したい。
© Research Center for Earthquake Hazards.
© Research Center for Earthquake Hazards.