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地震・火山研究グループ研究会(4月26日)

Seismic and Volcanic Hazards Mitigation Research Group Workshop (April 26, 2019)

セミナー等

SEMINARS

更新日:2019.04.22

Updated: 2019.04.22

今年度最初の地震火山グループ研究会を、以下の要領で開催いたします。
今回は、新しく着任された直井先生と、研究員の佐藤さんに講演をお願いいしております。
みなさま、奮ってご参加くださいます様、お願い致します。


--------------2019年4月 地震・火山グループ研究会-------------

【日時】2019年4月26日(金) 15:00~17:00
【場所】京都大学防災研究所 連携研究棟301号室(大セミナー室)
         http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.html
         (構内マップ中の77番の建物です。)

【スケジュール】
時間:15:00-16:00
講演者:佐藤 大祐(京都大学防災研究所 地震予知研究センター 研究員)
タイトル:断層モデリングの高速アルゴリズムと精密な低速摩擦則の提案
要旨:
震源過程の物理科学的理解の深化を背景に、前震・本震・余震系列などの一連の地震活動を構成関係(地殻弾性構造や断層分布など)と応力場から純力学的に説明可能な、断層の物理モデリングが実現しつつある。発表では、この現実的断層モデリングを実用化する上での計算・物質科学的問題を発表者が扱ってきた範囲で取り上げ、深畑研で行う研究の展望へつなげたい。
計算科学面では、震源物理で標準的に用いられる境界要素法の計算負荷が地震発生時の動的断層モデリングの対象の自由度を大きく損ねていた。これを解決するため、発表者は博士論文にて任意断層形状を扱える動的弾性問題の新しい計算アルゴリズムを提案した(Sato and Ando, 2019, submitted)。現在、地震サイクルや、不均一弾性・非弾性構造へと拡張を進めている。
物質科学面では、室内実験から導かれた速度状態依存摩擦則が、そもそもの実験を説明するために複数の異なる式を使い替えているという問題があった。これにより、断層の物理モデリングにはどの式を用いるかで結果が定性的に変わるということが長年問題視されてきた。発表者は博士論文にて実験結果をまとめて説明できる一本の式を提案し、問題の解決を図った(Sato, Nakatani, and Ando, 2019, in preparation)。


時間:16:00-17:00
講演者:直井 誠(京都大学防災研究所 地震予知研究センター 助教)
タイトル:南アフリカ大深度金鉱山における微小破壊観測
要旨:
南アフリカ共和国では,現在では4kmに達する深度で採掘が行なわれており,採掘空洞直近の応力再配分によって,M2-3級までの誘発地震が日常的に発生している.これらの誘発地震は,アクセス坑道をはじめとしたインフラが整備されている場所で発生すること,応力源が採掘活動であり,そのスケジュールから地震の発生域を予想できることから,大きな地震の発生前から予想震源域で観測を行うことが可能である.このような環境を利用し,これまで2つの鉱山において,M2-3級(典型的破壊サイズ数百m)の地震が予想される場所で,Mw-5(典型的破壊サイズ数cm)規模までの微小破壊(アコースティックエミッション)を検知できる観測を実施した.減衰が大きい数 kHz から数十 kHzの高周波をとらえる必要がある,震源域に近付ける鉱山ならではの観測である.これらの観測では,AEセンサの6 m横を,100m規模の破壊(M~2)が通過し,わずか1週間で二万個を超える,破壊面にびっしりと集中する余震が観測された例や,1年間で50回を超える繰り返し回数を持つ,M−4級の超微小繰り返し地震が観測されるなどの成果が得られている.

 

 

今年度最初の地震火山グループ研究会を、以下の要領で開催いたします。
今回は、新しく着任された直井先生と、研究員の佐藤さんに講演をお願いいしております。
みなさま、奮ってご参加くださいます様、お願い致します。


--------------2019年4月 地震・火山グループ研究会-------------

【日時】2019年4月26日(金) 15:00~17:00
【場所】京都大学防災研究所 連携研究棟301号室(大セミナー室)
         http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.html
         (構内マップ中の77番の建物です。)

【スケジュール】
時間:15:00-16:00
講演者:佐藤 大祐(京都大学防災研究所 地震予知研究センター 研究員)
タイトル:断層モデリングの高速アルゴリズムと精密な低速摩擦則の提案
要旨:
震源過程の物理科学的理解の深化を背景に、前震・本震・余震系列などの一連の地震活動を構成関係(地殻弾性構造や断層分布など)と応力場から純力学的に説明可能な、断層の物理モデリングが実現しつつある。発表では、この現実的断層モデリングを実用化する上での計算・物質科学的問題を発表者が扱ってきた範囲で取り上げ、深畑研で行う研究の展望へつなげたい。
計算科学面では、震源物理で標準的に用いられる境界要素法の計算負荷が地震発生時の動的断層モデリングの対象の自由度を大きく損ねていた。これを解決するため、発表者は博士論文にて任意断層形状を扱える動的弾性問題の新しい計算アルゴリズムを提案した(Sato and Ando, 2019, submitted)。現在、地震サイクルや、不均一弾性・非弾性構造へと拡張を進めている。
物質科学面では、室内実験から導かれた速度状態依存摩擦則が、そもそもの実験を説明するために複数の異なる式を使い替えているという問題があった。これにより、断層の物理モデリングにはどの式を用いるかで結果が定性的に変わるということが長年問題視されてきた。発表者は博士論文にて実験結果をまとめて説明できる一本の式を提案し、問題の解決を図った(Sato, Nakatani, and Ando, 2019, in preparation)。


時間:16:00-17:00
講演者:直井 誠(京都大学防災研究所 地震予知研究センター 助教)
タイトル:南アフリカ大深度金鉱山における微小破壊観測
要旨:
南アフリカ共和国では,現在では4kmに達する深度で採掘が行なわれており,採掘空洞直近の応力再配分によって,M2-3級までの誘発地震が日常的に発生している.これらの誘発地震は,アクセス坑道をはじめとしたインフラが整備されている場所で発生すること,応力源が採掘活動であり,そのスケジュールから地震の発生域を予想できることから,大きな地震の発生前から予想震源域で観測を行うことが可能である.このような環境を利用し,これまで2つの鉱山において,M2-3級(典型的破壊サイズ数百m)の地震が予想される場所で,Mw-5(典型的破壊サイズ数cm)規模までの微小破壊(アコースティックエミッション)を検知できる観測を実施した.減衰が大きい数 kHz から数十 kHzの高周波をとらえる必要がある,震源域に近付ける鉱山ならではの観測である.これらの観測では,AEセンサの6 m横を,100m規模の破壊(M~2)が通過し,わずか1週間で二万個を超える,破壊面にびっしりと集中する余震が観測された例や,1年間で50回を超える繰り返し回数を持つ,M−4級の超微小繰り返し地震が観測されるなどの成果が得られている.

 

 

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© Research Center for Earthquake Hazards.

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