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地震・火山研究グループ研究会(12月24日)

Seismic and Volcanic Hazards Mitigation Research Group Workshop (December 24, 2021)

セミナー等

SEMINARS

更新日:2021.12.23

Updated: 2021.12.23

2021年度(令和3年度)第4回の地震・火山グループ研究会開催をお知らせいたします。

-------------- 2021年12月 地震・火山グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------

日 時:2021年12月24日(金)15:00 – 16:00
会 場:オンライン開催(Zoom利用)


時間:14:00~15:00
講演者:西山竜一(にしやまりゅういち)東京大学地震研究所 地球計測系研究 部門 助教

タイトル:重力観測を用いたマグマ蓄積過程の理解
要旨:火山直下でのマグマ蓄積の様子を,質量の増減として重力観測データから 理解する試みについて議論する.具体例として,伊豆大島と桜島の例を取り上げ る.伊豆大島においてはカルデラ域を除くと全島的な膨張傾向が持続しており, 2012~2020年の絶対重力観測値の減少量からは比重2程度のマグマの蓄積が続く シンプルな描像が得られる.一方,桜島の南麓で測定している絶対重力値は 2018~2021年にかけて緩やかな重力増加傾向が続いているが,同火山の複雑なマ グマ供給系との関係についてのまとまった考えは今のところ見いだせていない. 両火山のケースでは,降雨に伴う重力の擾乱が火山活動起源のシグナルを取り出 す上でのノイズとなっており,これを定量的に取り除くことが喫緊の課題となっ ている.そこで,観測坑道内で宇宙線の強度を測定し,トンネル上の土被りに存 在する地下水の量を推定する方法を開発している.2021年から鹿児島県内の観測 坑道(京大防災研・郡山観測室)での試験観測を開始した.これらの取り組みに ついても紹介したい.


時間:15:00~16:00
講演者:山田大志(やまだたいし)京都大学防災研究所 火山活動研究センター  助教

タイトル:空気振動観測による放出火山灰量推定と噴煙到達高度の検討
要旨:火山噴火に伴う放出火山灰量を観測量から推定するには,観測坑道のひず み計で捉えられる地盤収縮や地震動振幅が有効である.本発表ではより簡便に観 測展開が可能な空気振動による放出火山灰量の推定と,噴煙到達高度との関係を 検討する.噴火に伴う空気振動エネルギーEinf(J)を指標とし,地盤収縮量との関係を調べた.桜島南岳と霧島山新燃岳のプリ ニー式噴火の事例では,両者が概ね一定の関係に従う.また桜島と口永良部島火 山,新燃岳におけるEinfと放出火山灰量m(kg)の関係を調べると,これら3火山での噴火事例は概ねm/Einf=0.02–0.1のトレンドに従う.ブルカノ式噴火などの噴出時定数の短い噴火では, 最大高度到達に必要な噴煙浮力F(N)は総噴出物量から推定できる.先のm/Einf関係に基づけば,適当な噴出物温 度を仮定するとF/Einf=0.3–3.5という関係が期待される.この関係を,噴煙到達高度から推定される噴 煙浮力を用いて検証した.全体としてはF/Einf=3.5を中心に推定値が分布し,先のm/Einf関係は噴煙到達高度の観点からも妥当 であると評価できる.以上の関係を用い,メラピ火山,諏訪之瀬島火山を例に検 討すると,Einfによる放出火山灰量はそれぞれ10^8kgと106 kgのオーダーと推定される.特に諏訪之瀬島では噴煙到達高度から期待 される火山灰量よりも一桁小さい.発表ではこの乖離の要因や,桜島での噴火時 期毎の特徴などについても紹介する.

2021年度(令和3年度)第4回の地震・火山グループ研究会開催をお知らせいたします。

-------------- 2021年12月 地震・火山グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------

日 時:2021年12月24日(金)15:00 – 16:00
会 場:オンライン開催(Zoom利用)


時間:14:00~15:00
講演者:西山竜一(にしやまりゅういち)東京大学地震研究所 地球計測系研究 部門 助教

タイトル:重力観測を用いたマグマ蓄積過程の理解
要旨:火山直下でのマグマ蓄積の様子を,質量の増減として重力観測データから 理解する試みについて議論する.具体例として,伊豆大島と桜島の例を取り上げ る.伊豆大島においてはカルデラ域を除くと全島的な膨張傾向が持続しており, 2012~2020年の絶対重力観測値の減少量からは比重2程度のマグマの蓄積が続く シンプルな描像が得られる.一方,桜島の南麓で測定している絶対重力値は 2018~2021年にかけて緩やかな重力増加傾向が続いているが,同火山の複雑なマ グマ供給系との関係についてのまとまった考えは今のところ見いだせていない. 両火山のケースでは,降雨に伴う重力の擾乱が火山活動起源のシグナルを取り出 す上でのノイズとなっており,これを定量的に取り除くことが喫緊の課題となっ ている.そこで,観測坑道内で宇宙線の強度を測定し,トンネル上の土被りに存 在する地下水の量を推定する方法を開発している.2021年から鹿児島県内の観測 坑道(京大防災研・郡山観測室)での試験観測を開始した.これらの取り組みに ついても紹介したい.


時間:15:00~16:00
講演者:山田大志(やまだたいし)京都大学防災研究所 火山活動研究センター  助教

タイトル:空気振動観測による放出火山灰量推定と噴煙到達高度の検討
要旨:火山噴火に伴う放出火山灰量を観測量から推定するには,観測坑道のひず み計で捉えられる地盤収縮や地震動振幅が有効である.本発表ではより簡便に観 測展開が可能な空気振動による放出火山灰量の推定と,噴煙到達高度との関係を 検討する.噴火に伴う空気振動エネルギーEinf(J)を指標とし,地盤収縮量との関係を調べた.桜島南岳と霧島山新燃岳のプリ ニー式噴火の事例では,両者が概ね一定の関係に従う.また桜島と口永良部島火 山,新燃岳におけるEinfと放出火山灰量m(kg)の関係を調べると,これら3火山での噴火事例は概ねm/Einf=0.02–0.1のトレンドに従う.ブルカノ式噴火などの噴出時定数の短い噴火では, 最大高度到達に必要な噴煙浮力F(N)は総噴出物量から推定できる.先のm/Einf関係に基づけば,適当な噴出物温 度を仮定するとF/Einf=0.3–3.5という関係が期待される.この関係を,噴煙到達高度から推定される噴 煙浮力を用いて検証した.全体としてはF/Einf=3.5を中心に推定値が分布し,先のm/Einf関係は噴煙到達高度の観点からも妥当 であると評価できる.以上の関係を用い,メラピ火山,諏訪之瀬島火山を例に検 討すると,Einfによる放出火山灰量はそれぞれ10^8kgと106 kgのオーダーと推定される.特に諏訪之瀬島では噴煙到達高度から期待 される火山灰量よりも一桁小さい.発表ではこの乖離の要因や,桜島での噴火時 期毎の特徴などについても紹介する.

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© Research Center for Earthquake Hazards.

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