10月27日(金)に2023年度第4回地震・火山研究グループ研究会をオンライン開催いたしますので、ご参加ください。
東京大学地震研究所の前野深先生と京都大学防災研究所の井口正人先生にお話をお願いしております。
-------------- 2023年10月 地震・火山研究グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------
日 時:2023年10月27日(金)15:00 – 17:05
場 所:Zoomによるオンライン会場
プログラム
15:00-16:00 前野 深(東京大学地震研究所 准教授)
海域火山噴火の表面現象を決めるパラメータは何か?
16:05-17:05 井口正人(京都大学防災研究所 教授)
火山活動の基本的な法則に当てはめる桜島の活動
要旨
「海域火山噴火の表面現象を決めるパラメータは何か?」 前野 深
海域火山噴火ではマグマ−海水相互作用、津波、漂流軽石など、陸上噴火には見られない現象が発生し、災害が広域に及ぶ場合がある。海域噴火特有の現象の理解において重要となるパラメータとして、噴火水深やマグマ噴出率などが挙げられるが、これらのパラメータと表面現象との関係は十分に明らかにされていない。近年の福徳岡ノ場やフンガ火山(トンガ)の噴火は、表面現象がさまざまな物理観測によって捉えられるとともに、噴火前後の水深(地形)の変化、噴出物の拡散過程、マグマそのものの性質について制約が与えられ、海域噴火の理解を進める貴重な機会となっている。そこで、これらの噴火を含む代表的な海域噴火のプロセスや物理量、噴火水深やマグマ噴出率が表面現象に及ぼす影響について研究を進めている。また、地球上の海域噴火について噴火水深と表面現象との関係を、データベースを用いて整理し、爆発性を支配する臨界水深等の閾値や規則性を見出そうとしている。これら海域火山噴火研究の成果や課題について述べる。
「火山活動の基本的な法則に当てはめる桜島の活動」 井口正人
火山活動推移の基本的な法則を以下の様に考えて、桜島の大規模噴火と1955年以降の南岳山頂噴火活動に当てはめ、考察した。➀マグマの貫入過程においては、火山体の弾性変形がまず起こり、応力が破壊強度を超えた段階で火山構造性地震が発生し始める。すなわち非破壊性マグマ貫入から破壊性貫入へ移行する。②マグマの爆発力はマグマの貫入速度が決める。マグマの貫入速度が小さければ、脱ガスが進行し、effusiveな噴火となるが、早ければ、揮発性成分を多量に含んだままで噴火して、爆発的となる。③噴火においては古いマグマ物質を噴出したのちに新鮮なマグマ物質を放出する。典型的な例は水蒸気噴火からマグマ性噴火への移行として知られているものである。④マグマ噴火は揮発性成分が卓越する噴火から脱ガスマグマ物質が卓越する噴火へ移行する。
今後の地震火山グループ研究会予定:
12/22(金):地震災害、3/19(火):退職者記念講演
Schedule of forthcoming seminars in FY2023: Dec. 22, and Mar 19.
10月27日(金)に2023年度第4回地震・火山研究グループ研究会をオンライン開催いたしますので、ご参加ください。
東京大学地震研究所の前野深先生と京都大学防災研究所の井口正人先生にお話をお願いしております。
-------------- 2023年10月 地震・火山研究グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------
日 時:2023年10月27日(金)15:00 – 17:05
場 所:Zoomによるオンライン会場
プログラム
15:00-16:00 前野 深(東京大学地震研究所 准教授)
海域火山噴火の表面現象を決めるパラメータは何か?
16:05-17:05 井口正人(京都大学防災研究所 教授)
火山活動の基本的な法則に当てはめる桜島の活動
要旨
「海域火山噴火の表面現象を決めるパラメータは何か?」 前野 深
海域火山噴火ではマグマ−海水相互作用、津波、漂流軽石など、陸上噴火には見られない現象が発生し、災害が広域に及ぶ場合がある。海域噴火特有の現象の理解において重要となるパラメータとして、噴火水深やマグマ噴出率などが挙げられるが、これらのパラメータと表面現象との関係は十分に明らかにされていない。近年の福徳岡ノ場やフンガ火山(トンガ)の噴火は、表面現象がさまざまな物理観測によって捉えられるとともに、噴火前後の水深(地形)の変化、噴出物の拡散過程、マグマそのものの性質について制約が与えられ、海域噴火の理解を進める貴重な機会となっている。そこで、これらの噴火を含む代表的な海域噴火のプロセスや物理量、噴火水深やマグマ噴出率が表面現象に及ぼす影響について研究を進めている。また、地球上の海域噴火について噴火水深と表面現象との関係を、データベースを用いて整理し、爆発性を支配する臨界水深等の閾値や規則性を見出そうとしている。これら海域火山噴火研究の成果や課題について述べる。
「火山活動の基本的な法則に当てはめる桜島の活動」 井口正人
火山活動推移の基本的な法則を以下の様に考えて、桜島の大規模噴火と1955年以降の南岳山頂噴火活動に当てはめ、考察した。➀マグマの貫入過程においては、火山体の弾性変形がまず起こり、応力が破壊強度を超えた段階で火山構造性地震が発生し始める。すなわち非破壊性マグマ貫入から破壊性貫入へ移行する。②マグマの爆発力はマグマの貫入速度が決める。マグマの貫入速度が小さければ、脱ガスが進行し、effusiveな噴火となるが、早ければ、揮発性成分を多量に含んだままで噴火して、爆発的となる。③噴火においては古いマグマ物質を噴出したのちに新鮮なマグマ物質を放出する。典型的な例は水蒸気噴火からマグマ性噴火への移行として知られているものである。④マグマ噴火は揮発性成分が卓越する噴火から脱ガスマグマ物質が卓越する噴火へ移行する。
今後の地震火山グループ研究会予定:
12/22(金):地震災害、3/19(火):退職者記念講演
Schedule of forthcoming seminars in FY2023: Dec. 22, and Mar 19.
© Research Center for Earthquake Hazards.
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