2024年度(令和6年度)第2回の京大防災研 地震・火山研究グループ研究会開催をお知らせいたします。
研究会はハイブリッド形式で開催いたします。皆様お誘い合わせの上、是非ご参加いただきますようお願い申し上げます。
防災研究所では、2024年7月1日付で改組が成立し、火山防災研究センターが立ち上がりましたので、これを踏まえて、火山噴火に伴う噴出物災害をテーマに、信州大学の堤大三先生と神戸大学の竹林幹雄先生にご講演をいただきます。
Here is information of the 2nd seminar of the Earthquake and Volcano Group Research, DPRI, Kyoto Univerity in FY2024 on July 26.
Two speakers are invited to this seminar. One is Prof. Daizo TSUTSUMI (Shinshu Univ.).
The other is Prof. Mikio TAKEBAYASHI (Kobe Univ.).
The seminar is held in a hybrid style.
-------------- 2024年7月 地震・火山研究グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------
日時:2024年7月26日(金)15:00 – 17:10
Date:15:00-17:10 July 26 (Friday), 2024
場所:防災研究所S519DおよびZoomによるハイブリッド開催
Location: In-person, Room S519D, DPRI, Uji Campus, Kyoto University On-line with Zoom
プログラム(Program)
15:00-16:00
堤 大三(信州大学農学部 教授)
Dr. Daizo TSUTSUMI (Professor, Shinshu University)
タイトル: 融雪型火山泥流の発生機構の解明に向けた検討と被害予測
要旨:
融雪型火山泥流は火山噴火によって発生する熱が山腹斜面の積雪や氷河を融解し,融解水が火山噴出物や斜面土層を巻き込んで泥流化するものであり,噴火規模や積雪量によっては巨大化し,下流域に甚大な被害を及ぼすこともある。発生頻度は高くなく,国内外で記録の残っている事例(1926年の十勝岳,1985年のネバドデルルイス)もわずかであるため,その発生機構は明らかではない。将来の災害に備えて,泥流規模や到達範囲の予測精度を上げるために,発生機構の解明に向けた実験や解析を実施した。実験では,火山噴出物に見立てた石礫を約500℃に加熱して,耐熱容器に詰め込んだ積雪層に供給し,融雪過程を計測した。その際,積雪と加熱石礫の混合の条件を変えて,融雪過程の変化も観察した。実験結果をふまえて熱伝導解析を行い,融雪水発生速度の予測手法の検討を行った。また,石礫と積雪層の混合を考える上で,飛来する石礫が積雪層に貫入する過程についての実験も行い,混合の予測についても検討した。検討の結果,火山噴出物と積雪層の混合条件の違いで,融雪速度は異なり,泥流の規模や到達範囲も異なることがわかった。より正確な泥流予測のためには,火山噴火形態の違いによって発生する噴出物の種類,積雪層との混合の仕方等の情報が重要なことも示唆された。
16:10-17:10
竹林幹雄(神戸大学大学院海事科学研究科 教授)
Dr. Mikio TAKEBAYASHI (Professor, Kobe University)
タイトル: 航空と火山:現状と課題
要旨:
航空輸送と火山災害は,商用航空輸送が開始された1940年代から既に問題としては認識されていたと考えられる.特に問題となるのは大量に噴出される「火山灰」であり,主としてエンジンに被害が出,飛行時には最悪の場合墜落事故につながりかねない.国連の機関である国際民間航空機関(ICAO)では2010年のエイヤクラフラヨークトルの大噴火の教訓から,それまでの「指針」を刷新するようにガイドラインを作成したものの,対応の詳細は各団体に委ねられているのが現状である.本講演ではこのガイドラインで重要となる「退避行動」と「退避の受入」の問題に焦点を当て,現状の退避行動がどのように行われているのか,について最新の研究成果を基に整理を試みる.ここでは特にVAACの情報発信と退避行動パターンの関連性,ならびに退避行動パターンを踏まえた今後の政策立案の方向性について検討する.また,退避の受入に関しては2021年に発表した桜島の噴火を対象とした論文で検討した受入候補空港の容量問題についての検討とその政策的含意を紹介する.ここでは山灰拡散と日本の管制管内でのフライトへの影響に焦点を当ててCARATSデータを用いたシミュレーションを行った結果を紹介する.
今後の地震火山グループ研究会予定:9/27 (金):地震防災、11/22 or 29(金):地震災害、12/20 or 27(金)all,3/21(金):退職者記念講演
Schedule of forthcoming seminars in FY2024: Sep. 27, Nov. 22 or 29, Dec. 20 or 27, and Mar 21.
2024年度(令和6年度)第2回の京大防災研 地震・火山研究グループ研究会開催をお知らせいたします。
研究会はハイブリッド形式で開催いたします。皆様お誘い合わせの上、是非ご参加いただきますようお願い申し上げます。
防災研究所では、2024年7月1日付で改組が成立し、火山防災研究センターが立ち上がりましたので、これを踏まえて、火山噴火に伴う噴出物災害をテーマに、信州大学の堤大三先生と神戸大学の竹林幹雄先生にご講演をいただきます。
Here is information of the 2nd seminar of the Earthquake and Volcano Group Research, DPRI, Kyoto Univerity in FY2024 on July 26.
Two speakers are invited to this seminar. One is Prof. Daizo TSUTSUMI (Shinshu Univ.).
The other is Prof. Mikio TAKEBAYASHI (Kobe Univ.).
The seminar is held in a hybrid style.
-------------- 2024年7月 地震・火山研究グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------
日時:2024年7月26日(金)15:00 – 17:10
Date:15:00-17:10 July 26 (Friday), 2024
場所:防災研究所S519DおよびZoomによるハイブリッド開催
Location: In-person, Room S519D, DPRI, Uji Campus, Kyoto University On-line with Zoom
プログラム(Program)
15:00-16:00
堤 大三(信州大学農学部 教授)
Dr. Daizo TSUTSUMI (Professor, Shinshu University)
タイトル: 融雪型火山泥流の発生機構の解明に向けた検討と被害予測
要旨:
融雪型火山泥流は火山噴火によって発生する熱が山腹斜面の積雪や氷河を融解し,融解水が火山噴出物や斜面土層を巻き込んで泥流化するものであり,噴火規模や積雪量によっては巨大化し,下流域に甚大な被害を及ぼすこともある。発生頻度は高くなく,国内外で記録の残っている事例(1926年の十勝岳,1985年のネバドデルルイス)もわずかであるため,その発生機構は明らかではない。将来の災害に備えて,泥流規模や到達範囲の予測精度を上げるために,発生機構の解明に向けた実験や解析を実施した。実験では,火山噴出物に見立てた石礫を約500℃に加熱して,耐熱容器に詰め込んだ積雪層に供給し,融雪過程を計測した。その際,積雪と加熱石礫の混合の条件を変えて,融雪過程の変化も観察した。実験結果をふまえて熱伝導解析を行い,融雪水発生速度の予測手法の検討を行った。また,石礫と積雪層の混合を考える上で,飛来する石礫が積雪層に貫入する過程についての実験も行い,混合の予測についても検討した。検討の結果,火山噴出物と積雪層の混合条件の違いで,融雪速度は異なり,泥流の規模や到達範囲も異なることがわかった。より正確な泥流予測のためには,火山噴火形態の違いによって発生する噴出物の種類,積雪層との混合の仕方等の情報が重要なことも示唆された。
16:10-17:10
竹林幹雄(神戸大学大学院海事科学研究科 教授)
Dr. Mikio TAKEBAYASHI (Professor, Kobe University)
タイトル: 航空と火山:現状と課題
要旨:
航空輸送と火山災害は,商用航空輸送が開始された1940年代から既に問題としては認識されていたと考えられる.特に問題となるのは大量に噴出される「火山灰」であり,主としてエンジンに被害が出,飛行時には最悪の場合墜落事故につながりかねない.国連の機関である国際民間航空機関(ICAO)では2010年のエイヤクラフラヨークトルの大噴火の教訓から,それまでの「指針」を刷新するようにガイドラインを作成したものの,対応の詳細は各団体に委ねられているのが現状である.本講演ではこのガイドラインで重要となる「退避行動」と「退避の受入」の問題に焦点を当て,現状の退避行動がどのように行われているのか,について最新の研究成果を基に整理を試みる.ここでは特にVAACの情報発信と退避行動パターンの関連性,ならびに退避行動パターンを踏まえた今後の政策立案の方向性について検討する.また,退避の受入に関しては2021年に発表した桜島の噴火を対象とした論文で検討した受入候補空港の容量問題についての検討とその政策的含意を紹介する.ここでは山灰拡散と日本の管制管内でのフライトへの影響に焦点を当ててCARATSデータを用いたシミュレーションを行った結果を紹介する.
今後の地震火山グループ研究会予定:9/27 (金):地震防災、11/22 or 29(金):地震災害、12/20 or 27(金)all,3/21(金):退職者記念講演
Schedule of forthcoming seminars in FY2024: Sep. 27, Nov. 22 or 29, Dec. 20 or 27, and Mar 21.
© Research Center for Earthquake Hazards.
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