2025年度(令和7年度)第1回の京大防災研 地震・火山研究グループ研究会開催をお知らせいたします。
今回は東京大学の伊東さんと、九州大学の馬場さんにご発表いただきます。
研究会はハイブリッド形式で開催いたします。皆様お誘い合わせの上、是非ご参加いただきますようお願い申し上げます。
Here is information of the 1st seminar of the Earthquake and Volcano Group Research, DPRI, Kyoto Univerity in FY2025 on June 27.
This time, Dr. Yuji Itoh from The University of Tokyo and Dr. Satoru Baba from Kyushu University will give talks.
The seminar is held in a hybrid style.
-------------- 2025年6月 地震・火山研究グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------
日時:2025年6月27日(金)15:00 – 17:10
Date:15:00-17:10 June 27 (Friday), 2025
場所:京都大学宇治キャンパス本館5階S-519D での対面とZoomによるハイブリッド方式
Location: In-person, Room S-519D, 5th floor, Main Bldg, DPRI, Uji Campus, Kyoto University or On-line with Zoom
プログラム(Program)
15:00-16:00
発表者:伊東優治
東京大学 地震研究所 附属地震発生予測研究センター
題目:2024年日向灘地震とその余効すべりの過程に沈み込んだ海山が与えた影響について
Title: Coseismic Slip and Early Afterslip of the 2024 Hyuganada Earthquake Modulated by a Subducted Seamount
概要:海山の沈み込みにより断層面が滑らかでない場合、そこで生じる地震性や非地震性すべりの挙動が複雑化することが知られている。2024年日向灘地震は海山の深部延長で発生し、大半のすべりが沈み込んだ海山の深部延長に推定された。海山の沈み込みにより強化されたせん断応力下で本震が発生したと考えられる。本震の大すべり域の浅部延長領域で生じた余効すべりと余震の発生タイミングを比較することで、余効すべり域のフロントの拡大速度が海山を通過する際に低下していた可能性を指摘した。また、本震のすべり域と余効すべり域の間に小さな空白域が推定された。この空白域では通常地震活動やスロー地震活動が低調なことから、この領域の断層は著しく安定した力学特性を示している可能性を提案した。これらの特徴は、海山の沈み込みに伴い10-20kmの波長で断層の力学特性が不均質分布していることを示唆している。
16:10-17:10
発表者:馬場慧
九州大学大学院 理学研究院 地球惑星科学部門 理学研究院附属地震火山観測研究センター
題目:日向灘における浅部スロー地震活動の時空間分布
概要:南海トラフの西端に位置する日向灘は、九州パラオ海嶺が沈み込んでおり、スロー地震によるモーメント解放量が日本周辺で最も大きい特徴的な領域である。本研究では2010–2015年に日向灘で発生したスロー地震について、2–8 Hzの波形から微動のエネルギー推定を、0.02–0.05 Hzの波形から超低周波地震のモーメント推定を行った。その結果、スロー地震のエネルギーとモーメントは、走向方向のマイグレーションが始まる沈み込んだ海嶺の南側で大きく、マイグレーションが減速する海嶺の直上付近で小さいという特徴があった。このことから海嶺の南側は直上付近と比べてスロー地震のパッチの強度が強いと考えられる。
南海トラフでは既存の海底地震計観測に加えて、光ファイバーケーブルに沿った歪を稠密に観測できる分布型音響センシング(DAS)による観測を行っている。本発表では、DASによる地震・スロー地震観測の取り組みについても紹介する。
2025年度(令和7年度)第1回の京大防災研 地震・火山研究グループ研究会開催をお知らせいたします。
今回は東京大学の伊東さんと、九州大学の馬場さんにご発表いただきます。
研究会はハイブリッド形式で開催いたします。皆様お誘い合わせの上、是非ご参加いただきますようお願い申し上げます。
Here is information of the 1st seminar of the Earthquake and Volcano Group Research, DPRI, Kyoto Univerity in FY2025 on June 27.
This time, Dr. Yuji Itoh from The University of Tokyo and Dr. Satoru Baba from Kyushu University will give talks.
The seminar is held in a hybrid style.
-------------- 2025年6月 地震・火山研究グループ研究会 -------------
-------------- Colloquium of Earthquake and Volcano Hazard Group --------------
日時:2025年6月27日(金)15:00 – 17:10
Date:15:00-17:10 June 27 (Friday), 2025
場所:京都大学宇治キャンパス本館5階S-519D での対面とZoomによるハイブリッド方式
Location: In-person, Room S-519D, 5th floor, Main Bldg, DPRI, Uji Campus, Kyoto University or On-line with Zoom
プログラム(Program)
15:00-16:00
発表者:伊東優治
東京大学 地震研究所 附属地震発生予測研究センター
題目:2024年日向灘地震とその余効すべりの過程に沈み込んだ海山が与えた影響について
Title: Coseismic Slip and Early Afterslip of the 2024 Hyuganada Earthquake Modulated by a Subducted Seamount
概要:海山の沈み込みにより断層面が滑らかでない場合、そこで生じる地震性や非地震性すべりの挙動が複雑化することが知られている。2024年日向灘地震は海山の深部延長で発生し、大半のすべりが沈み込んだ海山の深部延長に推定された。海山の沈み込みにより強化されたせん断応力下で本震が発生したと考えられる。本震の大すべり域の浅部延長領域で生じた余効すべりと余震の発生タイミングを比較することで、余効すべり域のフロントの拡大速度が海山を通過する際に低下していた可能性を指摘した。また、本震のすべり域と余効すべり域の間に小さな空白域が推定された。この空白域では通常地震活動やスロー地震活動が低調なことから、この領域の断層は著しく安定した力学特性を示している可能性を提案した。これらの特徴は、海山の沈み込みに伴い10-20kmの波長で断層の力学特性が不均質分布していることを示唆している。
16:10-17:10
発表者:馬場慧
九州大学大学院 理学研究院 地球惑星科学部門 理学研究院附属地震火山観測研究センター
題目:日向灘における浅部スロー地震活動の時空間分布
概要:南海トラフの西端に位置する日向灘は、九州パラオ海嶺が沈み込んでおり、スロー地震によるモーメント解放量が日本周辺で最も大きい特徴的な領域である。本研究では2010–2015年に日向灘で発生したスロー地震について、2–8 Hzの波形から微動のエネルギー推定を、0.02–0.05 Hzの波形から超低周波地震のモーメント推定を行った。その結果、スロー地震のエネルギーとモーメントは、走向方向のマイグレーションが始まる沈み込んだ海嶺の南側で大きく、マイグレーションが減速する海嶺の直上付近で小さいという特徴があった。このことから海嶺の南側は直上付近と比べてスロー地震のパッチの強度が強いと考えられる。
南海トラフでは既存の海底地震計観測に加えて、光ファイバーケーブルに沿った歪を稠密に観測できる分布型音響センシング(DAS)による観測を行っている。本発表では、DASによる地震・スロー地震観測の取り組みについても紹介する。
© Research Center for Earthquake Hazards.
© Research Center for Earthquake Hazards.