第10回宇治固体地球コロキウムを以下のとおり開催します。
-------------- 第10回 宇治固体地球コロキウム -------------
日 時: 2022年8月5日(金) 午後4時半〜6時
場 所: ZoomによるOnline
講演者: 山崎 健一
Title: 地震と地磁気、岩石のひずみと磁化:地殻という実験試料
要 旨:
地殻を構成する岩石の多くは磁性をもっている。磁性が温度依存性を示すこと(熱磁気効果)はよく知られているが、温度だけでなく応力にも依存することが知られており、応力磁気効果と呼ばれている。熱磁気効果を利用して火山周辺の地磁気データから地下の温度変化が推定されるように、応力磁気効果を利用すれば地下の応力変化を地磁気データで捉えることができるはずであり、原理的には、応力源について測地学的方法とは独立な情報が得られるはずである。そのため、これまでに観測・計算などによる多くの研究がおこなわれてきた。しかし、測地データではわからないことが磁場データからわかった例はこれまで非常に少なく、「磁場変化の観測値は測地データなどから推定された応力変化によって説明できました」という、答え合わせに過ぎない使われ方で終わってしまう場合が多い。
だが、答え合わせに過ぎない使われ方であっても、応力と磁場を関連付ける観測研究が意味を持つ場面がある。それは、実験室で調べることができない空間・時間スケールでの磁性の振る舞いを調べるという、物性論的なテーマへのアプローチとしての使い方である。
本発表では、地球科学における応力磁気効果関連研究について簡単にレビューするとともに、上記の「答え合わせに過ぎない使われ方でも意味を持つ場面」の具体例として、発表者が代表もしくは共同研究者として実施あるいは計画しているものを紹介する。さらに、そこから得られる物性論的知見を再び地球科学に引き戻してきた場合に何が期待されるのかについて、いわゆる「地震に先行する電磁気現象」に関連する私見を述べる。
<今後の予定>
10月21日 岩田 知孝
第10回宇治固体地球コロキウムを以下のとおり開催します。
-------------- 第10回 宇治固体地球コロキウム -------------
日 時: 2022年8月5日(金) 午後4時半〜6時
場 所: ZoomによるOnline
講演者: 山崎 健一
Title: 地震と地磁気、岩石のひずみと磁化:地殻という実験試料
要 旨:
地殻を構成する岩石の多くは磁性をもっている。磁性が温度依存性を示すこと(熱磁気効果)はよく知られているが、温度だけでなく応力にも依存することが知られており、応力磁気効果と呼ばれている。熱磁気効果を利用して火山周辺の地磁気データから地下の温度変化が推定されるように、応力磁気効果を利用すれば地下の応力変化を地磁気データで捉えることができるはずであり、原理的には、応力源について測地学的方法とは独立な情報が得られるはずである。そのため、これまでに観測・計算などによる多くの研究がおこなわれてきた。しかし、測地データではわからないことが磁場データからわかった例はこれまで非常に少なく、「磁場変化の観測値は測地データなどから推定された応力変化によって説明できました」という、答え合わせに過ぎない使われ方で終わってしまう場合が多い。
だが、答え合わせに過ぎない使われ方であっても、応力と磁場を関連付ける観測研究が意味を持つ場面がある。それは、実験室で調べることができない空間・時間スケールでの磁性の振る舞いを調べるという、物性論的なテーマへのアプローチとしての使い方である。
本発表では、地球科学における応力磁気効果関連研究について簡単にレビューするとともに、上記の「答え合わせに過ぎない使われ方でも意味を持つ場面」の具体例として、発表者が代表もしくは共同研究者として実施あるいは計画しているものを紹介する。さらに、そこから得られる物性論的知見を再び地球科学に引き戻してきた場合に何が期待されるのかについて、いわゆる「地震に先行する電磁気現象」に関連する私見を述べる。
<今後の予定>
10月21日 岩田 知孝
© Research Center for Earthquake Hazards.
© Research Center for Earthquake Hazards.