第15回宇治固体地球コロキウムを以下のとおり開催します。
講演者は井口正人さんです。
お気軽にご参加下さい。
-------------- 第15回 宇治固体地球コロキウム -------------
日 時: 2023年6月16日(金) 午後4時半〜6時
場 所: ZoomによるOnline
講演者: 井口 正人
Title: マグマの揮発性成分が決める火山噴火様式と活動推移
要旨:
火山噴火の様式は多様であるが、噴火様式はマグマの粘性によって決まるという考え方が教科書的である。粘性は、マグマの岩石学的性質、特に二酸化ケイ素の量に強く依存し、温度にも依存する。また、マグマ中の気泡や結晶など粘性流体以外の量にもよる。一方、岩石学的組成でもマグマに含まれる揮発性成分の量によって大きく変わる。揮発性成分が多いとExplosive(プリニー式噴火)、脱ガスが進めばEffusive(溶岩流や溶岩ドーム)となる。安山岩質火山で、ブルカノ式噴火の典型例とされる桜島でも噴火様式は多様であり、しかも短時間のうちに様式を変化させることもある。マグマの発泡を伴いながら繰り返されるストロンボリ式噴火から固結した溶岩をキャップロックとするブルカノ式噴火へ数時間の間に移行することは1980年代の噴火最盛期によく見られた。噴火活動はExplosiveからEffusiveな形態に移行する。1914年桜島大正噴火は20世紀における我が国で最大規模の噴火であるが、Explosiveなプリニー式噴火、火砕流、Effusiveな溶岩流出へ1-2日で移行した。火砕流は、プリニー式噴火より比重の大きい噴煙と考えられ、揮発性成分の量が減ってきたことを意味する。数か月にわたる長期のブルカノ式噴火活動期の中においても火山ガスが火山灰よりも卓越した状態から火山灰放出が卓越した状態へ遷移する。このように、揮発性成分は火山噴火様式とその活動推移を決める重要な要素と言える。
<今後の予定>
8月4日 西村 卓也
第15回宇治固体地球コロキウムを以下のとおり開催します。
講演者は井口正人さんです。
お気軽にご参加下さい。
-------------- 第15回 宇治固体地球コロキウム -------------
日 時: 2023年6月16日(金) 午後4時半〜6時
場 所: ZoomによるOnline
講演者: 井口 正人
Title: マグマの揮発性成分が決める火山噴火様式と活動推移
要旨:
火山噴火の様式は多様であるが、噴火様式はマグマの粘性によって決まるという考え方が教科書的である。粘性は、マグマの岩石学的性質、特に二酸化ケイ素の量に強く依存し、温度にも依存する。また、マグマ中の気泡や結晶など粘性流体以外の量にもよる。一方、岩石学的組成でもマグマに含まれる揮発性成分の量によって大きく変わる。揮発性成分が多いとExplosive(プリニー式噴火)、脱ガスが進めばEffusive(溶岩流や溶岩ドーム)となる。安山岩質火山で、ブルカノ式噴火の典型例とされる桜島でも噴火様式は多様であり、しかも短時間のうちに様式を変化させることもある。マグマの発泡を伴いながら繰り返されるストロンボリ式噴火から固結した溶岩をキャップロックとするブルカノ式噴火へ数時間の間に移行することは1980年代の噴火最盛期によく見られた。噴火活動はExplosiveからEffusiveな形態に移行する。1914年桜島大正噴火は20世紀における我が国で最大規模の噴火であるが、Explosiveなプリニー式噴火、火砕流、Effusiveな溶岩流出へ1-2日で移行した。火砕流は、プリニー式噴火より比重の大きい噴煙と考えられ、揮発性成分の量が減ってきたことを意味する。数か月にわたる長期のブルカノ式噴火活動期の中においても火山ガスが火山灰よりも卓越した状態から火山灰放出が卓越した状態へ遷移する。このように、揮発性成分は火山噴火様式とその活動推移を決める重要な要素と言える。
<今後の予定>
8月4日 西村 卓也
© Research Center for Earthquake Hazards.
© Research Center for Earthquake Hazards.