Topics

Topics

山谷里奈博士のセミナー(2月19日)

Seminar by Dr. Lina Yamaya

セミナー等

SEMINARS

更新日:2024.02.16

Updated: 2024.02.16

山谷里奈博士(防災科学技術研究所:契約研究員)のセミナーを下記のとおり開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2月19日 13:30-15:00

場所:宇治キャンパス 防災研究所 地震災害研究センター棟C200

講演者:山谷里奈(防災科学技術研究所 地震津波火山ネットワークセンター 契約研究員)

タイトル:海底地震計による観測波形に対する3次元地震波速度構造モデルを用いたセントロイド・モーメントテンソル解析

アブストラクト:地震の発震機構解は、地震のメカニズムや地下の応力場を理解する上で重要である。これまで、海域で発生した地震のセントロイド・モーメントテンソル(CMT)解析には、震源から遠い陸域観測網が主に使用されてきた。海域観測網の導入により観測点カバレッジが改善するため、CMT解析の精度向上が期待される。しかし、海域観測網の観測波形は、地下構造の強い不均質性や海水の影響によって複雑になるため、CMT解析には地下の3次元不均質構造を考慮する必要がある。本発表の前半部では、2011年に茨城沖領域に展開された短周期海底地震計を用いた解析を対象とする。短周期海底地震計の稠密観測網に地震波干渉法を適用することで、堆積層及び上部地殻のS波速度構造を推定した(Yamaya et al., 2021)。推定したS波速度構造は、沈み込んだ海山がプレート上盤に影響を与えた可能性を示している。次に、この構造を用いてマグニチュード2.5-4.0の地震のCMT解析を行った(Yamaya et al., 2022)。得られたCMT解からは、プレート境界型地震が2011年茨城沖地震の大滑り域や微動発生域と棲み分けていることがわかった。また、沈み込んだ海山やフィリピン海プレートの影響によると考えられる正断層地震も発見された。本発表の後半部では、S-netを用いたCMT解析を対象とする。得られたCMT解の低角逆断層地震はプレート沈み込みと調和的であり、アウターライズ地震は深さ約20kmに集中して推定された。さらに、海面に腹を持つレイリー波を用いることで、アウターライズ地震等の海水層の厚い領域で発生した浅発地震のCMT解(特に震源深さ、Mxz、Myz、Mzz)の制約が向上することがわかった。これらの結果は、海域観測網による観測波形や3次元地震波速度構造モデルの活用がCMT解析の精度を向上させることを示唆している。

山谷里奈博士(防災科学技術研究所:契約研究員)のセミナーを下記のとおり開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2月19日 13:30-15:00

場所:宇治キャンパス 防災研究所 地震災害研究センター棟C200

講演者:山谷里奈(防災科学技術研究所 地震津波火山ネットワークセンター 契約研究員)

タイトル:海底地震計による観測波形に対する3次元地震波速度構造モデルを用いたセントロイド・モーメントテンソル解析

アブストラクト:地震の発震機構解は、地震のメカニズムや地下の応力場を理解する上で重要である。これまで、海域で発生した地震のセントロイド・モーメントテンソル(CMT)解析には、震源から遠い陸域観測網が主に使用されてきた。海域観測網の導入により観測点カバレッジが改善するため、CMT解析の精度向上が期待される。しかし、海域観測網の観測波形は、地下構造の強い不均質性や海水の影響によって複雑になるため、CMT解析には地下の3次元不均質構造を考慮する必要がある。本発表の前半部では、2011年に茨城沖領域に展開された短周期海底地震計を用いた解析を対象とする。短周期海底地震計の稠密観測網に地震波干渉法を適用することで、堆積層及び上部地殻のS波速度構造を推定した(Yamaya et al., 2021)。推定したS波速度構造は、沈み込んだ海山がプレート上盤に影響を与えた可能性を示している。次に、この構造を用いてマグニチュード2.5-4.0の地震のCMT解析を行った(Yamaya et al., 2022)。得られたCMT解からは、プレート境界型地震が2011年茨城沖地震の大滑り域や微動発生域と棲み分けていることがわかった。また、沈み込んだ海山やフィリピン海プレートの影響によると考えられる正断層地震も発見された。本発表の後半部では、S-netを用いたCMT解析を対象とする。得られたCMT解の低角逆断層地震はプレート沈み込みと調和的であり、アウターライズ地震は深さ約20kmに集中して推定された。さらに、海面に腹を持つレイリー波を用いることで、アウターライズ地震等の海水層の厚い領域で発生した浅発地震のCMT解(特に震源深さ、Mxz、Myz、Mzz)の制約が向上することがわかった。これらの結果は、海域観測網による観測波形や3次元地震波速度構造モデルの活用がCMT解析の精度を向上させることを示唆している。

トピック一覧に戻る

Back to Topic List

© Research Center for Earthquake Hazards.

© Research Center for Earthquake Hazards.