更新日:2014.12.17
Updated: 2014.12.17
講師:
木下正高 先生
(海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所長 / 地震予知研究センター客員教授)
日時:
2015年1月
5日(月)14:45-16:15
6日(火)10:00-12:00
場所:
京都大学 宇治キャンパス 地震予知研究センター研究棟 C200
1コマ目:1月5日(月)14:45-16:15
「海溝型地震発生断層:掘削と観測でどこまで分かったか」
南海トラフ地震発生帯掘削(NanTroSEIZE)が2007年9月に開始以来、8年経過した。13地点で掘削が行われた。4ノットを超える黒潮下でのライザー掘削、東北地震による破損など、様々な困難を乗り越え海底下7 kmの断層固着域に向けて掘削を進めている。また2012年には3.11東北地震で50mもの高速破壊を起こしたプレート境界断層先端部への掘削も行われ、先端破壊の仕組みが少しずつ分かってきた。
掘削や海底観測の基礎と最新の成果を紹介しつつ、巨大地震の準備・発生の仕組みの理解に迫る。
2コマ目:1月6日(火)10:00-12:00
「掘削・地殻変動・メタンハイドレート」
陸上での生命活動の結果として、大量の有機物が河川から海溝軸に運ばれ、プレート沈み込みに伴って沈み込み、また圧縮しながら陸側に付加する。有機物は微生物によりメタンに分解され、水深4000m、2℃という低温高圧条件のためハイドレート(氷)として、海底から数百m下までの堆積物中の間隙を占領している。ハイドレートの存在は、エネルギー資源としてのポテンシャル以外にも、付加体の温度圧力状態とその変遷を示す、重要な指標になる。一方、掘削による場の擾乱は、地層状態を知る上ではノイズであるが、その擾乱を利用することで状態を知ることもまた可能である。南海掘削で行われた温度計測の結果、ハイドレートのある区間で負の温度異常があることを発見した。掘削による摩擦熱や減圧でその場のハイドレートが溶け、潜熱を奪って温度下降が発生した可能性を検討した。
メタンハイドレートが地下で織りなす物語の一旦を紹介する。
昨年度からセンターの客員教授をお願いしている木下正高先生(JAMSTEC)の集中講義についてご案内します. 学生さんのみならず興味をお持ちの皆さん,ふるってご来聴ください.
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講師:
木下正高 先生
(海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所長 / 地震予知研究センター客員教授)
日時:
2015年1月
5日(月)14:45-16:15
6日(火)10:00-12:00
場所:
京都大学 宇治キャンパス 地震予知研究センター研究棟 C200
1コマ目:1月5日(月)14:45-16:15
「海溝型地震発生断層:掘削と観測でどこまで分かったか」
南海トラフ地震発生帯掘削(NanTroSEIZE)が2007年9月に開始以来、8年経過した。13地点で掘削が行われた。4ノットを超える黒潮下でのライザー掘削、東北地震による破損など、様々な困難を乗り越え海底下7 kmの断層固着域に向けて掘削を進めている。また2012年には3.11東北地震で50mもの高速破壊を起こしたプレート境界断層先端部への掘削も行われ、先端破壊の仕組みが少しずつ分かってきた。
掘削や海底観測の基礎と最新の成果を紹介しつつ、巨大地震の準備・発生の仕組みの理解に迫る。
2コマ目:1月6日(火)10:00-12:00
「掘削・地殻変動・メタンハイドレート」
陸上での生命活動の結果として、大量の有機物が河川から海溝軸に運ばれ、プレート沈み込みに伴って沈み込み、また圧縮しながら陸側に付加する。有機物は微生物によりメタンに分解され、水深4000m、2℃という低温高圧条件のためハイドレート(氷)として、海底から数百m下までの堆積物中の間隙を占領している。ハイドレートの存在は、エネルギー資源としてのポテンシャル以外にも、付加体の温度圧力状態とその変遷を示す、重要な指標になる。一方、掘削による場の擾乱は、地層状態を知る上ではノイズであるが、その擾乱を利用することで状態を知ることもまた可能である。南海掘削で行われた温度計測の結果、ハイドレートのある区間で負の温度異常があることを発見した。掘削による摩擦熱や減圧でその場のハイドレートが溶け、潜熱を奪って温度下降が発生した可能性を検討した。
メタンハイドレートが地下で織りなす物語の一旦を紹介する。
昨年度からセンターの客員教授をお願いしている木下正高先生(JAMSTEC)の集中講義についてご案内します. 学生さんのみならず興味をお持ちの皆さん,ふるってご来聴ください.
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© Research Center for Earthquake Hazards.
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