3月3日に今年度、東京大学で学位を取得された米島慎二博士(現:Secondmind株式会社)がセンターに訪問予定です。
稠密海底地震計記録を用いた調査により、特に茨城沖で沈み込む海山周辺の地震活動について調べた研究内容についてご紹介いただけることとなりました。
以下の通りセミナーを実施いたします。
皆様、ご参集ください(ネットによる配信は行いません。対面でのセミナーとなります)
日時:2023年3月3日 10:30-12:00
場所:防災研究所 地震災害研究センター 新館セミナー室 200
Title:Subduction of heterogeneous oceanic plate elucidated by small earthquakes at the off-Ibaraki region
講演者:米島慎二(東大地震研(現Secondmind株式会社))
発表言語:日本語
Abstract
プレート沈み込み帯の浅部における小規模な地震の発生位置は、近年の海底地震計(OBS)による調査から、物質境界であるプレート境界だけでなく、プレート境界から離れた海洋地殻や上盤側プレートでも発生することが知られている。これらプレート境界から離れた場所で地震が発生する要因としては、海山の沈み込みなどのプレート境界付近での複雑な地下構造による応力不均質などが考えられる。こうした地震発生場を理解するためには、地下構造と対応が付くように微小地震の発生位置を高精度で把握することが極めて重要である。
しかしながら、海山周辺での地震活動が極めて少ないこと、地震発生深度での地下構造モデル分解能が限られていること、震源決定手法の要高度化などといった課題が残されており、海山のあるプレート境界周辺での微小地震発生位置の解明はこれまで困難であった。
本研究では31台の臨時稠密OBS観測網により記録された20,000個以上の震源記録を用い、上述の課題解決を試みた。データは2010年10月から2011年3月にかけて観測した31台の1Hz計による微小地震記録である。
主要な結果は以下のとおりである。(i)微小地震位置を効率よく求めるための震源決定の手法開発、およびVp/Vs比を精度よく推定するための手法開発を行った。(ii)20,000個という従来の観測では得られなかった大量の地震に対し同手法を適用し、海山周辺で、2重になっている地震面を発見した。(iii) VSP法を自然地震に適用する方法を開発し、震源位置と物質境界としてのプレート境界面の相対位置関係を同定した。 (iv)繰り返し地震との対比により、運動境界としてのプレート境界面を特定した。この運動境界面は物質境界としてのプレート境界よりも数㎞深い場所で発生していることが明らかになった。 (v)これらの結果を総合的に解釈し、沈み込んでいる海山上部ではunderplatingが発生している可能性があるとの結論を得た。
本セミナーでは上記(i)-(v)の各結果について概要を紹介する。
3月3日に今年度、東京大学で学位を取得された米島慎二博士(現:Secondmind株式会社)がセンターに訪問予定です。
稠密海底地震計記録を用いた調査により、特に茨城沖で沈み込む海山周辺の地震活動について調べた研究内容についてご紹介いただけることとなりました。
以下の通りセミナーを実施いたします。
皆様、ご参集ください(ネットによる配信は行いません。対面でのセミナーとなります)
日時:2023年3月3日 10:30-12:00
場所:防災研究所 地震災害研究センター 新館セミナー室 200
Title:Subduction of heterogeneous oceanic plate elucidated by small earthquakes at the off-Ibaraki region
講演者:米島慎二(東大地震研(現Secondmind株式会社))
発表言語:日本語
Abstract
プレート沈み込み帯の浅部における小規模な地震の発生位置は、近年の海底地震計(OBS)による調査から、物質境界であるプレート境界だけでなく、プレート境界から離れた海洋地殻や上盤側プレートでも発生することが知られている。これらプレート境界から離れた場所で地震が発生する要因としては、海山の沈み込みなどのプレート境界付近での複雑な地下構造による応力不均質などが考えられる。こうした地震発生場を理解するためには、地下構造と対応が付くように微小地震の発生位置を高精度で把握することが極めて重要である。
しかしながら、海山周辺での地震活動が極めて少ないこと、地震発生深度での地下構造モデル分解能が限られていること、震源決定手法の要高度化などといった課題が残されており、海山のあるプレート境界周辺での微小地震発生位置の解明はこれまで困難であった。
本研究では31台の臨時稠密OBS観測網により記録された20,000個以上の震源記録を用い、上述の課題解決を試みた。データは2010年10月から2011年3月にかけて観測した31台の1Hz計による微小地震記録である。
主要な結果は以下のとおりである。(i)微小地震位置を効率よく求めるための震源決定の手法開発、およびVp/Vs比を精度よく推定するための手法開発を行った。(ii)20,000個という従来の観測では得られなかった大量の地震に対し同手法を適用し、海山周辺で、2重になっている地震面を発見した。(iii) VSP法を自然地震に適用する方法を開発し、震源位置と物質境界としてのプレート境界面の相対位置関係を同定した。 (iv)繰り返し地震との対比により、運動境界としてのプレート境界面を特定した。この運動境界面は物質境界としてのプレート境界よりも数㎞深い場所で発生していることが明らかになった。 (v)これらの結果を総合的に解釈し、沈み込んでいる海山上部ではunderplatingが発生している可能性があるとの結論を得た。
本セミナーでは上記(i)-(v)の各結果について概要を紹介する。
© Research Center for Earthquake Hazards.
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